この記事では、瞑想の基本をご紹介します。
ヨガは古来、瞑想から始まった行といわれています。瞑想は忙しない日常生活のなかでほっと自分を見つめ直し、脳や心の疲れを取る時間。瞑想ほど手軽な心の健康法はないともいわれています。
日々の生活に疲れた方や、落ち着いて自分を見つめ直したい方は、ぜひ瞑想を初めてみてはいかがでしょうか。
瞑想とは
瞑想とは、心を無にして悟りを開くためのメソッドです。無心状態が続くと、深い瞑想状態をいわれます。もっと簡単にいうと、瞑想は「自分を見つめる」行いです。「自分が今何を考えているのか」気付くための行為ともいえるでしょう。
瞑想は誰にでもできる
瞑想は難しいものではなく、誰にでもできます。ただそっと目を閉じ、深呼吸をしながら心を落ち着かせる。それだけ立派な瞑想です。
ただし、瞑想には得意不得意があるともいわれています。常に何か物事を考えてしまう人や体を動かしていないと不安な方は、初めは瞑想を苦手だと感じるかもしれません。瞑想に集中できない方は、(※)アーサナをして心を落ち着かせ、体をほぐすと良いでしょう。
(※)アーサナ・・・瞑想のための座り方。座法。 代表的なものは、両方の尻に均等に体重をかけ、両足を太ももの上にのせて組む「蓮華座」など。
初心者向け!瞑想の手順
①まずは部屋を整える
瞑想ができるスペースを作り、部屋の一角を整えましょう。照明は暗め、窓は開けておくのがベストです。
②自分の役割を忘れる
「女性である」「会社員である」「主婦である」というような、日頃の自分の役割を忘れましょう。普段の生活を忘れ、自由な本来の自分になることが大切です。
③自分の呼吸を感じる
自分の呼吸を感じてみましょう。意識せず、ただ観察するような感覚です。
④自分の感覚を見る
「風を感じている」「指先の体温に意識が集中している」「アロマの匂いにリラックスしている」など、自分の受けた感覚を観察しましょう。
⑤自分の感情を観る
今自分はどんなことを感じているのか、気持ちは穏やかなのか焦っているのか。自分の感情を客観視して、冷静に観察してみましょう。
だんだんと頭の中が静かになっていくのは感じてみてください。
瞑想で大切なのは姿勢
瞑想では、姿勢を保つことが大切です。ヨガのポーズとは、もともと瞑想を行うためのものでした。瞑想をする際、姿勢を保つための筋力を育てるのがポーズです。瞑想に慣れてきた方は、アーサナの状態を長く保っていられるよう、姿勢の維持も意識してみましょう。
座り方と印
瞑想を深めるためには、座り方と印(ムドラー)を知ることが重要です。瞑想に慣れてきた方は、ぜひ実践してみましょう。
代表的な瞑想の座法
瞑想をより深めていく際の座法は、いくつか決まりがあります。初めは自分が一番リラックスできる座り方で良いのですが、慣れてきてより深い瞑想状態を味わいたい方は、ぜひ下記のような座法を実践してみましょう。
蓮華座
不動の下半身を作る座法です。両方のお尻(坐骨)に体重をかけて座り、両足を太腿の上に乗せて組みます。座る際、左右のお尻に均等に体重がかかるよう意識しましょう。
半蓮華座
蓮華座の要領で、片足のみ太腿の上に組みましょう。ある程度不動の状態を作り、心身に安定をもたらします。
正座
足を揃え、足裏にお尻を乗せます。背筋を伸ばしやすい座法で、精神的に安定しやすいとされています。
安座
身体に足を近づけ座る座法です。膝が床から上がらないよう、初めはお尻や膝下に毛布などを敷くと良いでしょう。
代表的な瞑想の印
印(ムドラー)は、「鍵」や「封印」といった意味を持ちます。指や手をいろいろな形に組み、指先に流れる経絡を合わせます。これにより、自分の呼吸をコントロールすることが可能に。瞑想の印の種類は、主に下記のようなものがあります。
知恵の印
現実世界を表す左手と仏世界を表す右手を組み合わせ、一体化を示す印です。自分の内側を感じるときに使用します。法界定印ともいいます。
禅定印
大宇宙を表す親指と、小宇宙を表す人差し指をつけ、手のひらを開きます。大宇宙と小宇宙の合一を図る印で、宇宙の智慧を感じるときの使用します。
合掌印
顔の前で合掌し姿勢を安定させる、祈りの念が湧き上がる印です。呼吸や神経のバランスが整い、脳の安定をもたらします。
瞑想がうまくいかないときは?
雑念が止まらず、瞑想がうまくいかないときもあります。しかし、悩みや心配事で支配された頭を、どう整理していくが考えていくのが瞑想のスタートです。
「どうして自分はこのことで悩んでいるんだろう」と掘り下げてみるのも正解の一つ。そのうち、解決策が見えてきたり、「このことは悩んでも仕方ない」と割り切れたりして、問題を受け入れられるようになることもあります。その過程すらも瞑想と言えるでしょう。
食事によって影響されることも
空腹時や、逆に満腹時に瞑想がうまくいかないことがあります。重いものを食べた後は瞑想状態に入りづらいという人も多いです。瞑想をする前は、自分の体の状況に合った量、重さのものを食べるようにしましょう。
瞑想は人それぞれである
瞑想とは、目をつぶり自分を見つめ直す行為だと説明しました。行いの完成として何か指標があるわけではないので、「これでできているのか?」分かりづらいと思う人もいるでしょう。
しかし、瞑想は人それぞれです。忙しない日常から離れ、ほっと一息つく時間を作れたなら大成功と思って良いでしょう。そのため、正解を探そうとせず、自分の中でリラックスできる時間にすることが大切です。
まとめ
以上、瞑想の基本についてお伝えしました。瞑想に厳密なルールはなく、難しく考えすぎないことが大切です。忙しい日常生活からしばし離れ、自分をゆっくり見つめ直す時間が取れたならそれで大成功。さらに深い瞑想状態を体験してみたい方は、座法や印を意識してみると良いでしょう。
参考文献:『ヨガが丸ごとわかる本』Yogini編集部(2016年)枻出版