ヨガの「呼吸法」のコツとは?現役ヨガインストラクターに聞いてみた!

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こんにちは、ライターの田中です。

SEARCH YOGAでは、これまでヨガ初心者の方に向け、基礎的なヨガの心得やポーズの取り方などをご紹介してきました。

初心者向けのヨガについて調べていったり、実際にヨガを体験したりして分かったことが一つ。

ヨガの呼吸法は思ったよりも難しい・・・!

ということです。

ヨガ初心者に向けた呼吸法や呼吸に関する記事も多く執筆してきました。

ヨガのポーズを行う際に欠かせないのが、「呼吸」。ポーズの形よりも、まず呼吸法がきちんとできているかの方が重要だといわれるほどです。普段無意識に行っている呼吸ですが、ヨガでは意識的に呼吸を整えることが大切だと言われています。

しかし実際ヨガを行ってみると、ポーズを取りながら呼吸にも意識を向けるのはなかなか難しいものでした。ポーズに気を取られて呼吸が安定せず、息切れしまうことも。また、普段は無意識に行っているため、いざ呼吸を意識しようとしてもなかなかカウントが合わないことも多かったです。

「あれ、意外と呼吸って難しいかも・・・

それがヨガ初心者の感想です。

しかしヨガにおける呼吸の大切さはよく分かっているので、どうにかしても呼吸法のコツをマスターしたいものです。

というわけで今回は、ヨガのプロフェッショナル、インストラクターの先生に呼吸法のコツについてお伺いしました!

<呼吸法を教えてくれる方>

ヨガインストラクターMikaさん(Instagram @mika__yoga

インストラクター歴3年。小中高とジャズダンスを経験。怪我のリハビリとしてヨガに出会う。就職後にヨガのインストラクターになるための勉強を始め、RYT200(※)取得後ヨガのインストラクターとして独立。現在多数のヨガスタジオでレッスンを持っている。

※実技と座学を含んだ計200時間のカリキュラムを経て取得できる、全米ヨガアライアンス認定のヨガインストラクター資格

呼吸の大切さと役割

−−まずは、ヨガにおける呼吸の役割について教えてください。

Mikaさん「ヨガには、3つの大切な柱があります。それが、体・呼吸・マインドです。

ヨガでは、この3つがすべて繋がっていると考えられています。つまり、柱の一つである呼吸をコントロールできれば、体やマインドも整えていけるということで、逆も然りです。体を動かすことで、呼吸が安定していくのです。

そのため、ヨガで切り離せない3つ柱である『呼吸』を安定させることには、大きな意味があると考えられます。」

−−呼吸を含めた3つの柱を意識するだけで、ヨガに取り組む姿勢も大きく変わりそうですね。では、3つの柱それぞれを整える法雨ほうを教えてください。

Mikaさん「体は、ポーズやアーサナで整えられます。

呼吸は、呼吸法を使って安定させることができ、マインドは自分の内側と向き合ったり、ポーズ中の体の動きを意識しどういう状態なのか想像力を意識していったりするなかで整えることができます。マインドを整えることで、「ありのまま」の自分を受け入れられるようになります。

呼吸は体やマインドを整わせる大切な役割ということですね。

逆に言えば、呼吸が整わない場合、体やマインドに目を向けることで安定することもあります。」

ヨガの呼吸を実践しよう

−−では、実際にヨガの呼吸法のやり方を教えてください!

Mikaさん「ヨガの呼吸は、流派に限らず腹式呼吸が基本です。

ヨガの腹式呼吸は、息を吸うときにお腹を膨らまし、吐くときにお腹をへこまします。実際にやってみましょう」

腹式呼吸の実践方法

1.両手をお腹に添える

2.姿勢を整える

3.目を閉じて、息を吐きお腹をへこます

4.鼻から息を吸い、お腹を膨らます

5.1〜4を繰り返す

Mikaさん「お腹を使うので、はじめは両手お腹に添えた方がわかりやすいです。慣れてきたら膝の上、あぐらなら膝の上でも構いません。

背中が丸いと、内臓が潰されている状態で呼吸がうまく通らないので、まずは姿勢を正してあげましょう。

吐く時にお腹がぺちゃんこになり、吸うとお腹が膨らむことを意識して行いましょう」

−−普段は胸式呼吸なので、腹式呼吸は意識しないとなかなか続けるのが難しいですね…

Mikaさん「私たちは基本的に日常生活では胸式呼吸なので、腹式呼吸は慣れていない方が多いですね。

最初は意識的にお腹を膨らます、へこますの動作を行って行きましょう」

ヨガで呼吸を整わせるには?

−−呼吸と整わすためにはどうしたら良いでしょうか?

Mikaさん「吸うときと吐くときの長さを同じにすることを意識すると、整いやすいです。

カウントの目安は流派によっても異なりますが、つまらず余らず、ちょうど良いの4カウントずつでしょう。

しかし、呼吸が整っていない、と意識できているということは、呼吸に目を向けられているということでもあります。それは、自分自身に意識が向いているという証拠です。

ヨガでは、自分に意識を向けることが大切です。そのため、呼吸がうまくできなくても、呼吸に意識を向けられているだけで、意味があるということを知っておきましょう。そうすると、心にも余裕ができます。」

−−Mikaさんにそう言ってもらえて良い意味で気を抜くことができたのか、呼吸も整ってきました…!

Mikaさん「良かったです!

やはりヨガをはじめたばかりの方は、どうしても頑張ろうとしてしまいます。しかし、その人にできる最大限でかまわないのです。大切なのは、自分に意識を持っていき、自分自身を大切にすること。

それに気が付けると、ヨガをやるうえでとても楽になります。」

呼吸が整わない原因

−−呼吸が整わない原因は何なのでしょう?
Mikaさん「先ほどお話ししたとおり、頑張りすぎてしまっているということもありると思います。

また、生理学的な話をすると、私たちの呼吸は、吸う息が交感神経が優位になる動きとなります。そして吐く息は、副交感神経が優位になり、リラックスするように促されます。

呼吸が整わない場合、この交感神経と副交感神経のバランスが乱れている可能性があるでしょう。吸う息、吐く息どちらかが短くなっていないか、長くなっていないか、自分の呼吸が浅くなっていないかなど意識してみると良いです。

−−では、日頃の生活から改善していくことで呼吸が安定するのでしょうか?

Mikaさん「そうですね。日常でも、ヨガの最中でも、呼吸が整っていない場合、生活習慣が影響している可能性はあります。

寝不足だったり、食生活に問題があったり。または仕事などで疲労し、エネルギーが落ちてしまっていることもあるでしょう。

自分の普段の生活を見つめ直すことも、良い機会でしょう。」

−−確かに忙しくて疲弊しているとき、気がついたら呼吸がすごく浅くなっていることがあります。

Mikaさん「普段の生活が忙しい方は、1日5分だけで良いので、呼吸に意識を向ける時間を作ってみましょう。
頭がパンクしそうなときは、トイレで深呼吸してみたり。電車に乗っているときなど、少し時間が空いたときに、腹式呼吸をしてみるのも効果的です。

忙しいの『忙』という字は、心を無くすと書きます。
心がなくなるまで無我夢中で頑張るのは、自分自身を傷つけることにもつながります。

呼吸を整え自分を見つめ直すことは、ポーズの実践としての呼吸だけじゃなく、生活面でも大事なことといえるでしょう。」

ヨガの呼吸と運動の呼吸の違い

−−ヨガと運動で、呼吸法に違いはありますか?

Mikaさん「ランニングやフィットネスなど有酸素系の運動は、胸式呼吸が多いです。それは、胸式の方が酸素を多く取り込めるからです。

いっぽうヨガは、先ほど話したとおり、腹式呼吸であることが多いです。ヨガの腹式呼吸は、息を吸うときにお腹を膨らまし、吐くときにお腹をへこまします。大量の酸素を身体に取り込み、血流やリンパの流れを促すことができます。ま

た、代謝アップや脂肪燃焼効果もあり、デトックスやリラックスなど、心身に大きな効果をもたらすとされています。」

さらに、瞑想をスムーズに行う目的でも腹式呼吸が用いられます。」

日常でもヨガを意識することが呼吸安定の第一歩

−−今回お話しを聞いて、日常生活からヨガを意識することで呼吸が安定するのかなと思いました。

Mikaさん「『オンザマット』『オフザマット』というのをご存知でしょうか。

マットの上にいる時間・・・オンザマット
マットを降りている時間・・・オフザマット

となります。

オフザマットの時間こそ、ヨガ哲学に乗っ取った生活をしていくことが、ヨギーとしては大事になってきますね。
マットにいる以外の時間帯も、今以上にもっとヨガを意識した生活をしていくことで、呼吸が整い、ポーズが安定も期待できるでしょう。」

−−オフザマット、初めて聞きました…!ヨガ的には、オフザマットでのルールなどあるんでしょうか?

Mikaさん「ヨガの八支則に乗っ取った生活をするのが重要だとされています。


八支則では、オフザマットの時間、自分の中ですべきこととしてはいけないことを分け、意識することが大切とされています。
例えばしてはいけないこととして、非暴力、すべきこととして、身の回りの整理整頓など。

非暴力とは、人に対してだけではなく、物を大事にする、言葉遣いを気をつけるという意味でもあります。

自分にとって正しいと思うことを意識して行っていくというのが、オフザマットでのルールともいえるでしょう。」

−−自分が正しいと思う人間になっていくことで、自分自身のことももっと好きになれそうですね。

Mikaさん「ヨガでは、自分自身を大切にすることがとても重要視されているので、自分を好きになれる行いをする、という捉え方もとても良いと思います!

日頃の生活を整えていくことで、呼吸も安定していき、自分も大切にできる。良いことづくしです。」

呼吸とは『今』を表すツール

−最後に、Mikaさんにとってヨガの呼吸はどのようなものなのか教えてください。

Mikaさん「呼吸とは、『今、ここ』を表すツールだと思います。
呼吸に意識を向けているということは、今に意識が向いているということ。ヨガでは、過去のことを考えたり、将来を案じて不安になったりするのではなく、今ここにあるものを見つめていくことが大切だとされています。

呼吸を観察するだけで、今ここに戻ってくることができます。だから、ヨガではぜひ呼吸を大切にしましょう!」

まとめ

以上、呼吸法のコツについてMikaさんにお聞きました。

なんとなくヨガをしていて呼吸が整わないなと感じていたのですが、呼吸とはヨガにおいても、日常生活においてもこんなに大切なものだったとは…。

呼吸に意識を向けられているということは、自分に、そして今に意識が向けられているということ」。

これを聞いて、呼吸はまるでヨガそのものだなと思いました。

確かに、胸に手をあてて自分の呼吸を感じているときは、ものすごくその瞬間を生きていることを実感できます。これまで無意識に行っていた呼吸が、とても意味のあるものだったとは、目から鱗です。

呼吸の安定は心と体の安定。

なんとなくヨガのポーズをとっていて呼吸がうまくできないという方は、自分の体は疲れていないか、心が疲弊していないか、一度振り返ってみてはいかがでしょうか!

以上、お読みいただきありがとうございました。