現役ヨガインストラクターに聞く!「ヨガ」とは?人と比べず自分自身と向き合おう

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健康法やエクササイズとして流行中のヨガ。

どこの駅でもヨガスタジオの広告で溢れていますし、都内でヨガスタジオが無い街を見ないほどです。

しかし、ヨガとは何かと問われたら、明確に答えるのはなかなか難しいのではないでしょうか。「健康法」「ダイエット法」「エクササイズ」「心の浄化」…。さまざまな目的でヨガを行う人がいます。

さらに、ヨガには「ポーズ」「瞑想」「哲学」などさまざまな要素があります。

果たして「ヨガ」とはなんなのでしょう…。それを知ってこそ、ヨガの本当の効果を得ることができる気がします。

というわけで今回は、現役ヨガインストラクターの先生に、「ヨガ」とは何か、聞いてみました!

ヨガインストラクターMikaさん(Instagram @mika__yoga

インストラクター歴3年。小中高とジャズダンスを経験。怪我のリハビリとしてヨガに出会う。就職後にヨガのインストラクターになるための勉強を始め、RYT200(※)取得後ヨガのインストラクターとして独立。現在多数のヨガスタジオでレッスンを持っている。

※実技と座学を含んだ計200時間のカリキュラムを経て取得できる、全米ヨガアライアンス認定のヨガインストラクター資格

現役インストラクターに聞く!ヨガとは?

−−まず、ずばり「ヨガ」とはいったい何なのでしょう?

Mikaさん「古来からのヨガとは、三昧にたどり着くためのプロセスです。ヨガの八支則のすべてを行った人が、三昧の境地にいけると言われています。三昧は、ヨガを行うすべての人が目指すべきものと言われています」

ヨガの八支則、三昧については、下記の記事もご参考にしてください。

−−なるほど。なかなか「三昧」と聞いてぴんと来ない人も多そうですね…。

Mikaさん「そうですね、哲学的に言えばそうなるわけですが、なかなか聞き馴染みのない方もいるでしょう。現代的には、『身体』『呼吸』『マインド』を安定させていくこと、それがヨガだと思っています。

この3つが柱となっており、すべて繋がっていると考えます。たとえば呼吸をコントロールしていけば、身体とマインドも整えていけるし、逆も然り、身体を動かすことにより呼吸やマインドが安定します。

このように、『身体』『呼吸』『マインド』を安定させた先に、ヨガの到達点があると考えています」

−−「身体」「呼吸」「マインド」を安定させた先…ヨガの到達点には何があるんでしょうか?

Mikaさん「私が思うに、慈愛。自分を大切にすることができるようになると思います。ヨガの本質とは、自分の内側の部分、マインドを整えていくことであると考えています。

自分を大切にするという目的のため、ポーズを整えたり、瞑想をしたりすることがヨガなのではないでしょうか。

ヨガにはたくさんの要素があるので、学べば学ぶほど深いなと感じますね」

−−ヨガはスピリチュアルな要素が多い印象があります。

Mikaさん「そうですね、お伝えしているように、ヨガは自分自身の内側に焦点を当て、目に見えないものを大切にする行いです。

この「目に見えないもの」に対し、すぐ受け入れられる人もいれば、なかなか受け入れづらい方もいます。性別や年齢によっても受け取り方は変わるので、伝え方には気をつけています。

たとえばスピリチュアル要素が受け入れづらいという方には、解剖学の要素を取り入れて説明したりすることもあります」

−−ヨガは老若男女誰もできますか?

Mikaさん「誰でもできます。実際私も、男女・年齢問わずさまざまな方にレッスンさせていただいています。シニアヨガというのもあり、年配の方のレッスンでは呼吸やポーズにとらわれず、皆でお話しする時間を多く作ったりしています」

−−ヨガをやっていくうえで得られるものとはなんでしょうか。

Mikaさん「私は、人と比べない精神を得たと感じます。もともと私はダンスをしていて、常に周囲と比べる世界にいました。しかしヨガでは、隣の人と比べる必要はありません。

初めにヨガレッスンを受けたとき、先生から「人と比べなくて良いんだよ」と言われたときの衝撃と感覚が今でも忘れられません。ヨガのレッスンでは、できないこともその人の個性として尊重されるんです。

人と比べないということがこんなに心地良いものなんだと知ったのはヨガを始めてからで、それはすごく大きな変化だなと思います」

−もともとやられていたダンスとヨガ、違いを感じたのはどんな点ですか?

Mikaさん「ダンスでは、自分を綺麗に見せることが重視されます。動くを大きく見せるためにはどのように身体を使えば良いか、より美しく見せるためには手先や向きをどう変えていけば良いか、など。

ヨガでは、ダンスと同じようにポーズを取った場合でも、綺麗に見えることよりも、今どのように自分の手が伸びているか、肩はつまっていないかなど自分自身が感じていることに意識を向けます。そこが大きな違いだと思います」

ヨガと運動の違い

−−では、ヨガと運動の違いとはなんでしょう?

Mikaさん「運動は、痩せる、筋肉をつけるなどのボディメイクが主流な目的となります。
ヨガでは、意識を自分自身に向けることが目的で、根本的な考え方が違うといって良いでしょう」

−自分自身に意識を向ける…ですか。

Mikaさん「はい。たとえば瞑想をしていて『お腹がすいた』『トイレに行きたい』と集中ができなかったり、ポーズをしていて『今日はすごく肩が軽い』逆に『すごくつまっている感じがする』など、自分の心や身体で起きていることを感じられたとします。

それは、今自分自身と向き合うことができているということです。たとえうまくポーズが取れなかったとしても、自分の今の状態を感じることができればそれで良いのです。

このように、ヨガでは自分に意識を戻していくことが大切であり、本来の目的はボディメイクではありません。それが運動とヨガの大きな違いといえるでしょう」

−ヨガは本来自分に意識を向けることが目的であり、結果として痩せたり健康になったりする効果が生まれることもある…ということでしょうか。

Mikaさん「そうですね。ポーズを取るために、家でストレッチをするようになったとか、食生活に気をつけるようなった、早寝早起きするようになったなど、ヨガを行ううえで生活習慣が変わり、結果ダイエット効果に繋がったということはあるかもしれません。

しかし、筋力をつけ体脂肪率を落とす、ウエストラインを絞る、といった者は、本来のヨガの目的ではありません。エクササイズの要素が強い現代的なヨガではそういった側面がある場合もあります。なので、自分の目的に合わせてヨガのレッスンを使い分けるのが良いかなと思います。

本来のヨガの効果だけでなくダイエットも行いたいかたは、フィットネスヨガを選択する、ヨガの考え方まで学びたい方は、インストラクター向けのレッスンを受けてみる、など」

コラム「ヨガと運動で異なる呼吸法」

Mikaさん「ちなみに、ヨガの呼吸は運動の呼吸は異なります。

ランニングなど有酸素系の運動は、「胸式呼吸」の場合が多いです。胸式のほうが酸素を多く取り込めるからです。そのため、フィットネスや有酸素系は胸式呼吸が主流とされているのです。

いっぽうヨガは、流派に限らず腹式呼吸が基本です。

ヨガの腹式呼吸は、息を吸うときにお腹を膨らまし、吐くときにお腹をへこまします。大量の酸素を身体に取り込み、血流やリンパの流れを促すことができます。また、代謝アップや脂肪燃焼効果もあり、デトックスやリラックスなど、心身に大きな効果をもたらすとされています。

さらに、瞑想をスムーズに行う目的でも腹式呼吸が用いられます」

腹式呼吸の実践方法

  1. 両手をお腹に添える
  2. 姿勢を整える
  3. 目を閉じて、息を吐きお腹をへこます
  4. 鼻から息を吸い、お腹を膨らます
  5. 1〜4を繰り返す

Mikaさん「お腹を使うので、はじめは両手お腹に添えた方がわかりやすいです。慣れてきたら膝の上、あぐらなら膝の上でも構いません。

背中が丸いと、内臓が潰されている状態で呼吸がうまく通らないので、まずは姿勢を正してあげましょう。

吐く時にお腹がぺちゃんこになり、吸うとお腹が膨らむことを意識して行いましょう」

ヨガの教えや受け取り方は十人十色

−−インストラクター方向けのレッスンがあるんですね。

Mikaさん「はい、私も通っています。レッスンでヨガについてどう伝えていけば良いか、といったインストラクター的な勉強にもなりますし、一ヨギーとして、こういう身体の使い方をすると身体が楽になるんだという学びにもなります。

また、先生によってヨガの捉え方が違うところも面白い点です。

ヨガは3000年の歴史があるとも言われており、発祥した3000年前の感覚を伝えている先生もいれば、もっとモダンな現代的ヨガにフォーカスを当てて伝えている先生もいます。

ヨガについて聞けば、10人10通りの答えが返ってくると言われるほど、一人ひとりヨガに対しての受け止め方は違ってきます」

−ヨガに対しての受け止め方が一人ひとり違うのはなぜでしょうか。

Mikaさん「ヨガを学ぶ人は、さまざまなヨガの教えを学ぶなかで、自身の過去の出来事や体験とリンクしていきます。教えに、自分の経験値を重ねていくといった感じです。

もちろん一人ひとり、経験したことも違ってくるから、受け止め方も異なりますし、発する言葉も違ってきます。
レッスンで同じことを行ったとしても、違う経験しているから受け止め方も変わります。しっくりくる人もいれば、そうでない人もいる。まさに十人十色ですね。

ちなみに、インストラクター向けのレッスンは少し敷居が高い…と思割れる方は、哲学を教えてくれるクラスがある一般のスタジオもあるので、そういうところに通ってみるのも良いかもしれません」

ヨガを通して自分を大切にするということ

−−今回のお話で、「ヨガ」は「自分を大切にする行い」だということがとても印象的でした。

Mikaさん「そうですね。自分を大切にするという感覚は、ただ運動しているだけでは得られづらいと思います。汗をかいてスッキリすることはあるかもしれませんが、自分自身の内側が満たされていく感覚はヨガでこそ得られるものではないでしょうか。


ヨガは自分のことしか考えない時間です。そんな時間のなかで、自分のペースで人と比べず身体を動かしていくことが、「自分を大切にする」ことに繋がります。
さらにヨガを離れた日常生活でもそれが意識できるようになると、「自分のペースで生きる」という感覚が得られるようになります。


ヨガは自分の心に正直になる、より生きやすくなるためのツールでもあるといえるでしょう」

まとめ

以上、現役ヨガインストラクターのMikaさんに「ヨガとは」何かお聞きしました。

これまでヨガの記事を書くなかで、ヨガについて多く調べてきました。それでも、ヨガとは何か、しっくりする回答が得られませんでした。

今回Mikaさんとお話ししていくなかで、ヨガへの受け止め方は人それぞれであることを学びました。

ただし一貫しているのは、「自分を大切にする」行いであるということ。ヨガを行うことで自分自身が感じていることに気がつき、自分と向き合うきっかけにする…。なるほど、ヨガとは生き方のようなものなのですね。

生き方は人によって違うので、ヨガについてうまく捉えられないのも当然かもしれません。ただヨガに向き合う全ての人が、自分なりのヨガを構築していく、というのが本質なのかもしれません。

多くの学びを得た貴重な時間でした、Mikaさん、ありがとうございました!