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みなさん納豆はお好きでしょうか?
日本人に馴染みのある食べ物ですが、かなりのくせ者ですよね。独特の粘り気と食感、そしてなんともいえない匂いは、まぁ苦手という方も多いでしょう。というより「無理!!!!!」と言う方も多いことでしょう。
面白い話で言うと、海外の子供に納豆を食べたリアクションを見たところ、「この食べ物か、食べ物の入っている容器を食べるか選べと言われたら、私は容器を食べるわ」といって発泡スチロールのトレーを食べようとしていたのが笑えて可愛くてやっぱり笑えましたが、それほどまでに納豆とはかなり強烈な食べ物でもあります。
しかし、この納豆はとんでもないスーパーフードだったのです!
納豆を毎日食べると、凄まじい健康効果があるというのはご存知でしょうか?
近所のスーパーのみならず、コンビニでもサクッと買えてしまうこの納豆に秘められた力を今回はご紹介いたしましょう!
納豆とは?
納豆の効果を知るために、まずは納豆を知るところからということで。
みなさんはそもそも、納豆がどういうものがご存知でしょうか?
納豆とは発酵食品の一つであり、あの独特の腐っ…非常にユニークな香りは発酵によって生じているものです。発酵食品といえば、ポピュラーなものであればヨーグルトも挙げられますね。
納豆という語源にはいくつか諸説があり、昔の坊さんが台所である納所で納豆をつくっていたため、「納所豆」という名前で呼ばれていたのが語源など、昔の作られた場所や保存場所にちなんでいたと考えられています。
この納豆は、納豆菌というものからつくられます。納豆金は元となる大豆の成分を栄養にして増えていき、納豆菌が成分分解や合成などをおこなって大豆を納豆に変化させるのです。独特の粘り気や味は、納豆菌の活躍によって生まれるのですね。
ちなみにあの独特過ぎる粘り気は、納豆菌がタンパク質を分解してグルタミン酸というものを生み出した結果です。グルタミン酸は納豆の美味しさ(人によっては美味しさからかけ離れてはいますが)の秘密であり、粘り気の長い糸は、グルタミン酸が折り畳まれてつながっているためだと考えられているのです。納豆にはグルタミン酸が必須というわけですね。
さらに、フラクタンという糖の一種も合わさってできています。このフラクタンは無味の物質ですが、粘り気を安定させるための役割を担っています。
大豆だけで粘り気がないのは、納豆菌による分解が発生していないためです。大豆だけの状態でネバネバしていると、それはそれでちょっと引いてしまいますが…。
納豆は腐っているわけではない!
発酵食品として親しまれている納豆ですが、これは腐っているわけではありません。当たり前のようでいて、けっこう混同されることでもありますが、腐敗と発酵は似て非なるもの。というのも、腐敗も発酵も、微生物による食べ物の分解を指すためです。理科の話みたい!
では、腐敗と発光の違いはなにかと聞かれると、けっこうボヤッとしていませんか?
じつはこれってけっこうアバウトな区別です。どういう分け方かというと、腐敗と発行の違いは、「人体に良いか悪いか」というざっくりしたもの。本当にざっくりしてますね。
ほかに体にいい発酵食品といえば、ヨーグルトのほかにもチーズ、あと意外かもしれませんが味噌もそうですね。腐敗して体に悪いものは…わざわざ言う必要はありませんね!
納豆は日本で数千年の歴史あり!?
この納豆の歴史的な起源はさまざまな説があり、いまのところ正確には分かっていません。それほどまでに古来から存在している食べ物なのです。(最も古い説で言えば、紀元前4世紀から紀元前3世紀頃に誕生したと言われています!いまから2300年以上前です!)
この納豆は、主に大豆からつくられています。その大豆を包むために、稲や麦の茎を干した藁が用いられていました。かなり古典的な道具を作ってつくられていたため、日本では古くから製造方法も確立されております。大豆自体は紀元前1600年前から紀元前3000年前からありますし、大豆と日本人の関係は数千年の歴史を経ているのです。壮大!
ちなみに藁の元になっている稲科の植物は、すでに弥生時代以前である縄文時代から存在していたため、納豆の元となる大豆と藁は古来から日本にあったということですね。
麦も中国大陸から伝わって弥生時代から日本では稲作など行われていたため、大豆に必要な素材は弥生時代から揃っていたということになります。
この頃から納豆が作られていたかどうかは定かではありませんが、納豆の原料となるものは古来から存在していたため、納豆の発展する土壌はしっかりとあったということです。
納豆の起源となる説はいくつかありますが、どれも古くから存在していたと考えられるものばかり。日本における納豆文化は、とても歴史あるものなのです。(聖徳太子など著明人物が関わっているという説もあるくらいですからね!)
納豆の健康効果とは?
この納豆ですが、好き嫌いはともかくとして、多くの方のイメージで「納豆は健康!」というのがあると思います。
では、納豆はなぜ健康なのか?
畑の肉といわれる大豆が原料!
まず挙げられるのは、納豆の原料は大豆です。この大豆は人体の健康に欠かすことができないタンパク質が非常に豊富です。豊富過ぎるあまりこう呼ばれているほど。「畑の肉」です。文字通り、肉並みにタンパク質が豊富ということですね!
ちなみにこの独特の呼び名は、日本で生まれた、のではありません。意外にもドイツです。
1873年、ウィーンで開かれた万博にその由来があります。ここでは日本の農産物が紹介されていたのですが、その一つに大豆が紹介されたのです。大豆に非常に高い健康効果がドイツ人学者に注目されて、「大豆は畑のお肉だ」というキャッチフレーズがつけられたというお話しです。豆知識!
ちなみにアメリカでは「大地の黄金」と呼ばれています。すごい呼び方ですね!そしてどれだけ価値があるのかというのが呼び名で物語れられています!!
では、どれほど大豆にタンパク質が含まれているかと言うと、本当に肉に匹敵するタンパク質を含んでいます。というより、比較する肉によっては大豆の方がタンパク質を含んでいます。
たとえば、牛ひれ100gにはタンパク質が19.1g含まれています。対して、大豆100gにはなんとタンパク質33.8g!大豆の方が圧倒的にタンパク質を多く含んでいるのです!
これは驚くべき事実で、豚ヒレ 100gにはタンパク質22.7g、ささみ100gには23.9g、豚もも100gに19.5gと、タンパク質を含んでいる量は軒並み大豆の方が多く含んでいます!
ただし注釈すると、生大豆100gに33.8gのタンパク質です。茹でると100gあたり14.8gとなります。それでもたくさんのタンパク質が含まれていることに変わりはないですね。
五大栄養素+αが全て含まれている
そして大豆にはタンパク質だけが含まれているわけではないですよ。なんと五大栄養素と呼ばれるタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維がすべて含まれています。
もちろん大豆を発酵させた納豆にもこれら全てが含まれています。まさにスーパーフード!!
くわえて、第6の栄養素といわれる食物繊維も豊富に含まれています。つまり六大栄養素が含まれているといえますね。凄まじい健康効果!!
発酵がたくさんの恩恵をもたらしてくれる!
納豆の健康効果。それは、先ほどまで話していた発酵が大きく関係しています。納豆は大豆を発酵させて作る食品です。この大豆の発酵によって、大豆そのままで摂取するよりもタンパク質などの消化吸収効率がアップします。大豆のままで食べるよりも、発酵された納豆の方が体に吸収されやすいということですね!
また、納豆には良質なタンパク質はもちろん、鉄分や食物繊維が豊富に含まれています。納豆という食べ物自体にたくさんの栄養素が含まれているのです。
腸内環境を整える納豆菌!
くわえて、納豆菌の効果も大きいです。大豆にはない、発酵食品だからこそ納豆に含まれているこの納豆菌は、文字通り細菌の一種です。(枯草菌という細菌)
納豆菌は納豆だけでなく、じつは田んぼや畑、枯れ草といったところに生息しているのです。豆知識!
この納豆菌を煮た大豆にくわえることで、ネバネバだったり独特の匂い(臭い?)だったりが発生します。
さらに納豆菌は、胃酸に打ち勝つという特徴もあります。つまり、胃酸で死なずに生きたまま腸内にたどり着いてくれるので、腸内の善玉菌を活性化させて悪玉菌をやっつけてくれます。すなわち納豆菌は腸内環境を改善してくれるというわけですね!
また、納豆菌は骨の形成を促進してくれるビタミンK2をたくさん生み出すというメリットまであるのです!
血液をサラサラにするナットウキナーゼ!
さらにさらに、納豆の力はこれだけではありません!
納豆菌を発酵させると、ナットウキナーゼというこれまたユニークなものが生まれます。このナットウキナーゼは、タンパク質分解酵素というものです。
このナットウキナーゼも健康の頼もしき味方!
なぜなら、血栓という血管内で固まる血液を溶かしてくれるので、血液をサラッサラにしてくれるのです。
美容効果バツグンのイソフラボン!
ほかにもまだまだありますよ納豆の健康効果。それはイソフラボンです。ポリフェノールは美容の頼もしき味方!女性ホルモンに構造が似たイソフラボンは、アンチエイジングに効果的だと言われていますからね。
また、女性は更年期を過ぎると女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減ってしまうため、骨粗しょう症に陥りやすくなります。そのため、納豆は骨粗しょう症の予防にもなるのです。
女性にとっても非常に価値のある納豆!美の味方!!
納豆を毎日食べると死亡リスクが下がる!?
驚きがつきないスーパーフード、美容だけでなくなんと死亡リスクの減少にまで効果があるのです!
国立ガン研究センターの発表によると、大豆食品や納豆などの発酵性大豆食品の摂取と死亡リスクを関連したデータがあります。
この論文によれば、男女ともに発酵性大豆食品の摂取量が多いほど、総脂肪リスクが低くなるという可能性を示唆したのです。
ここで基準となった納豆の摂取量の1日の基準は50g。つまり納豆1パックですね。ということは、納豆を毎日1パック食べれば病気のリスクが下がるということです!!
具体的な病気のリスクでいうと、のうそっちゅや心筋梗塞などの循環器の病気です。これらは納豆を毎日食べていると、男女ともに死亡リスクが低下する傾向があったのです。
日本人の長寿の要因とも考えられていると研究グループが発言しているので、まさにスーパーフードにふさわしいですね。
納豆を食べればダイエットにもなる!
スーパーっぷりを紹介してきましたが、最後にダイエット効果まで触れましょう。
というのも、納豆は低カロリー高タンパクな食べ物です。つまり納豆はカロリーを抑えながら、筋肉の材料になるタンパク質を効率よく摂取できます。
筋肉量が増えれば増えるほど、基礎代謝がアップして痩せやすい体になるので、痩せやすい体になるためには納豆からのタンパク質摂取がオススメといえます。
納豆を食べるだけでダイエットになるというよりは、納豆を食べる習慣がダイエットに効率的な体を作ってくれるので、納豆はダイエットの味方ということですね。
「なんだ納豆を食べるだけで痩せるわけじゃないのか…」と嘆くのはちょっとお待ちを!
なぜならダイエットを健康的に続けるためには、まず肉体の健康が必須です。効率よくタンパク質を摂取するだけではなく、五大栄養素、いえ六大栄養素をばっちり摂取できる納豆は、ダイエットを正しく行っていく上でも非常に頼もしい存在です。
しかも腸内環境を整えてくれるため、便秘も防いでくれます。ぽっこりお腹を解消することはシンプルに見た目のシャープさに直結しますよ!
また、腸内環境を整えることは肥満とも関連があると考えられています。つまり、腸内環境が悪ければ太りやすくなると示唆されているので、腸内環境を整えておくことはダイエットと身近な関係にあります。
なのでとにかく納豆食べましょう!!
納豆を毎日食べよう!
納豆は健康効果だけでなく、ダイエットにとっても頼もしき味方になり、さらに病気になりにくくなるというスーパーフードです!
納豆に抵抗がある人も多いかもしれませんが、たとえば味噌汁に入れたりなど、食べやすくする方法はあります。うまく工夫すれば、苦手な片手でも納豆は食べられますよ。
苦手でない人は毎日の納豆食をオススメ!
ただし何事も食べ過ぎはよくないので、1日1パックを目安にしましょう!
参考サイト:
実はスゴい!!納豆の栄養素
納豆菌とは
まさにスーパーフード! 大豆が「畑の肉」と呼ばれるわけ
畑の肉(大豆)と本物の肉(牛肉や豚肉)の栄養成分を比較してみた
納豆ダイエットは痩せるって本当?正しい取り入れ方を管理栄養士が解説
「納豆を多く食べる人」は死亡リスクが低下:国立がん研究センター
発酵大豆の「イソフラボン」は女性のスーパー守護神!