「高価な化粧品を買ったは良いものの、自分の肌に合わず撃沈…」
なんていう経験がある方も多いのではないでしょうか。
一口に「化粧品」と言っても、さまざまな成分が使われています。ものによって配合されている成分は異なり、もちろん自分の肌や身体の状況に合った成分と、合わない成分があります。
使用感も成分によって変わります。
「ハリ感が出るものが良い」「ベタベタせずさらっと馴染むものが良い」など、自身の好みによって使い分けることで快適に使用し続けられるでしょう。
このような理由から、化粧品を選ぶ際は、自分と相性の良い「成分」から選ぶことで、失敗をある程度防ぐことができます。
本記事では、化粧品の成分のなかでも特に「最強」だと言われている成分9つをピックアップし、その最強の理由や特徴をご紹介したいと思います。
ぜひ自分と相性の良い化粧品を選ぶ参考にしてください!
目次
1.シカ
最近よく聞く韓国発、肌荒れケア成分「シカ」。成分名は「ツボクサエキス」「ツボクサ葉/茎エキス」。
特にシカを配合した「シカクリーム」が人気ですね。
巷でよく聞くものの、「シカ」って…何? 鹿? と思った方もいるのではないでしょうか。
シカ(CICA)は、セリ科植物「ツボクサ」の葉や茎から抽出されるエキスを指し、肌荒れケア、うるおい効果があるとされています。
COVID-19(コロナウイルス感染症)の蔓延以降、マスク着用での肌荒れがシカブームを後押ししました。
シカは肌荒れケアの成分なので、現在「肌荒れで悩んでいる」という方や、肌の潤いが足りていないという人におすすめの成分です。
2.ニールワン
ポーラが開発したシワ改善成分「ニールワン」は、「唯一絶対の抗シワ成分」と呼ばれています。
そのため、「シワ撲滅委員会」「シワ、ダメ絶対」などの組織に所属している方々にとって非常に心強い味方です。
シワ改善を目的に作られた成分は、ニールワン以降、未だ開発されていないとのこと。抗シミ界のパイオニアという称号は伊達ではありません。
ちなみにニールワンの成分名は、「三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Na」という驚異的な長さ。間違っていたらすみません。
3.ライスパワー
ライスパワーは、名の通り米由来の成分。
ライスパワーの成分は全部で12種類あり、「ライスパワーNo.◯(数字)」と、名前の後に数字が付きます。
数字ごとに効果も異なります。
たとえば「ライスパワーNo.6」は皮脂分泌抑制に有効な成分が含まれているので、肌のテカリや毛穴、黒ずみ、ニキビでお悩みの方におすすめ。
また、「ライスパワーNo.11」は、皮脂水分保持機能改善の効果が認められており、乾燥肌や敏感肌の方と相性の良い成分です。
4.グリセリン
グリセリンは、「高い水分保持機能」「使い心地の良さ」「安全性の高さ」「コスパ」すべてを兼ね備えた最強保湿成分です。
ハンドクリームやクレンジングジェルのイメージがありますが、なんと国内の化粧水の約9割がグリセリン配合。
多くの化粧品に使われているグリセリンは、特に失敗リスクの少ない成分といえるでしょう。
コスパ重視で、化粧品選びで失敗したくない方に激推しの成分です。
5.マカデミア種子油
マカデミア種子油はマカデミアナッツから得られる植物オイルで、「油脂」に分類されます。「オーリブ果実油」「ツバキ種子油」「ヤシ油」「馬油」など、油脂類は肌なじみが良いとされています。
そのなかでもマカデミア種類油は、人の皮脂とよく似た構造をしているため、一際人肌とのなじみが良いという特徴があります。
乾燥対策や、皮脂の働きを補いたいという方におすすめの成分です。
6.セラミド類
セラミド類は人の皮膚に存在する成分で、肌のバリア機能と要と言われています。
肌バリア機能がしっかりして働くことで、水分と油分がのバランが保たれ、美しく健康的な肌を維持することができます。
美肌を保ち続けたい方は、ぜひこのセラミド類の配合された成分を使用しましょう。
7.PEG類
使用後のハリ感に一役買うのが、「PEG類」。これは「エリレングリコール」と呼ばれる成分で、PEG類が配合されたスキンケア化粧品を使用したあとは、ピンとハリが出る肌感覚に仕上がります。
PEG類は、組み合わせが重要。成分名の数字が大きいものはとろみが強くなる傾向にあり、洗顔料に配合する際は泡の質感を良くする目的があります。
PEG類のなかでも、数字によって効能が変わるので、使用感を比較し自分に一番合ったものを使用すると良いでしょう。
8.カルボマー類
カルボマー類は、肌の「ぷるぷる感」を演出してくれる成分。
後述するキサンタンガムと同様の増粘剤ですが、流動性のあるキサンタンガムとは異なり、カルボマー類はゼリー状に固まる成分です。そのため、ゼリー状成分特有の爽やかで切れのある使用感が好みの方は、カルボマー類がおすすめ。
肌につけるとすーっと馴染むので、ベタベタした使用感が苦手な方にはもってこいの成分です。
しかしカルボマー類は塩分に弱いので、汗をかいた肌にそのままのせると、とろみが失われるので注意が必要です。
9.キサンタンガム
キサンタンガムは、流動性のあるとろみ感が特徴の成分、糸を引くような高級感のある使い心地を得られます。
化粧品の「とろみ」を演出するのに欠かせない増粘剤に一つが、このキサンタンガムというわけですね。
前述したカルボマー類も増粘剤ですが、こちらはぷるっとしたゼリー状で、ものによって使用感はずいぶん変わります。
「ぷるっ」が良いのか「とろっ」が良いのか…。季節によって好みも変わりそうですね。
自身の好みで、季節ごとに成分を使い分けてみても良いでしょう。
成分は組み合わせが重要!
ここまでさまざまな「最強成分」をお伝えしてきましたが、実は組み合わせがとても重要。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、化粧品は、さまざまな成分が併用され成り立っていることが多いです。
そのため一つの成分を見るだけでなく、成分の組み合わせを意識して化粧品を選ぶことが大切。
今回の「最強成分」は、すべて久光一誠さん監修の書籍『効果的な「組み合わせ」が分かる化粧品成分辞典』を参考にして書かせていただきました。
この本では、化粧品と成分の基礎知識から、化粧品ごとの成分構造、成分辞典といった内容が盛り込まれています。
成分辞典では、化粧品の選び方や、各成分の強み・弱み、おすすめの組み合わせ方法などが細かく載っていて、非常に参考になります。
本記事で化粧品成分について興味が出てききた方は、ぜひこちらの本もチェックしてみてくださいね。
それでは、最後までお読みいたきありがとうございました!
参考:『効果的な「組み合わせ」が分かる化粧品成分辞典』監修:久光一誠 池田書店(2021)