星のカービィの生みの親!桜井政博さんから見る『初心者が楽しめる難易度調整』の極意

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「桜井さんがYoutubeチャンネル始めたってよ!」

どちらの桜井さんって話でしょうが、桜井政博さんです。

え?知らない?

あの桜井さんを!?

星のカービィの生みの親じゃないですか!!!!!

あーーーゲームボーイの時点で愛おしいんじゃーーーー。

1992年4月27日に発売されたので2022年で30周年です。素晴らしい!!!

じつはこの初代星のカービィにはまだ代名詞ともいえるコピー能力がなかったのですが、意外ですよねこれ。

ファミコンで発売された次作の「星のカービィ 夢の泉の物語」でやっとコピー能力が追加されたり色がついかされたりと、一気にグレードアップしたわけですがファミコンの時点での完成されてるんですよねー。

夢の泉の物語は翌年の1993年3月23日発売。90年代初頭でこんな神がかったゲームがあったなんて。桜井さん…。

そんなカービィの生みの親である創造主・桜井政博さんがYoutubeでチャンネルを始められたのですが、これがなかなか興味深い。

なぜカービィの生みの親を話題にするのか?

桜井さんはYoutubeに広告をつけず、無償でチャンネルを始められました。なので編集やらなにやらやればやるほど赤字だとご本人仰ってますが、なぜそれで始められたのか。

理由はゲーム業界の発展のためです。

さすがは神!!!!私利私欲のためだけで動かない美しい美しい美しい尊敬が溢れ出て止まらない。

まあご本人は大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでアホほど稼いでらっしゃいますからねえ!!!

最新作の大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIALだけでも2019年時点で世界売上1500万本以上ですし。格闘ゲームの歴史を変えたストリートファイターⅡの売り上げ超えて歴代世界1位のファイティングゲームの栄光を手に入れたのでまあそりゃ儲かりまくってることでしょう。ご自身で会社やられてますからねえ!!!!

そんな神ってるゲームを生み出せるのが桜井さんのすごいところです。

なんでまたこのカービィとスマブラの生みの親という超絶大偉人を恐れ多くも話題にさせていただこうとしたかと言いますと、単に僕が桜井さんのファンだからというだけではなく、ご自身が開設されたYoutubeチャンネルの内容が非常に興味深いため。

ちなみに2022年8月末時点で52歳です。

52歳です。

もう一度言います。

52歳です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

吸血鬼か!?

そう驚くほどわっかわかしいルックスをされてるのでぜひチャンネルを見てください!

いやそんな理由で見るチャンネルじゃないけどいや桜井さんのお姿を拝見するためにも俺は見てますけどねえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

うっわマジお美しい

死ぬほどアウトプットして死ぬほどインプットしておられるから若々しいのでしょうか。ミュージシャンもあり得ないほど若い方いらっしゃるのは常にエネルギッシュな活動の賜物。脳と肉体は新しい刺激を与え続けることで老いませんからね。

ちなみに桜井さんは非常に非常に非常に非常にお忙しい方なので、時間を有効活用するために映画を倍速で見ながらゲームをプレイしてエアロバイクを漕がれます。

同時進行過ぎますよ。

ゲームの造詣もむっちゃくちゃ深ければほかのメディアにも常に触れられてらっしゃって肉体の健康維持もしっかりされているところも本当に素晴らしい。シャツのセンスはよく分かりませんが。

ディ…ディスって…など…い、ま…お好きなお洋服をお召しになってください!!!!!

ゲームデザイン論について語るつもりです

あんまり桜井さんのことばかり語っていると内容がヤバくなりそうなので本題に入りますが、Youtubeチャンネル「桜井政博のゲームを作るには」ではゲームデザイン論を展開されています。

このゲームデザイン論はとにかく興味深く、桜井さん自身もゲーム業界のためはもちろん、それ以外の人に向けて面白い話を発信してくださるとチャンネル冒頭で語られています。

初代星のカービィを作成された時点で、ゲームのデザインに真剣に取り組まれていました。

デザインというのは見た目だけでなく中身です。

このゲームの中身、それはつまり遊ぶために必要な要素です。

このゲーム作りの中身を考えることが一体どうなるんだって話ですが、じつはどんなことにも応用できる考え方をご提示くださっているのです。

たとえばトレーニングでもそうですし、ダイエットでもそうですし、勉強でも仕事でも趣味でもどんなことにでも活かせる考え方がゲームデザインには秘められています。

ゲームデザインにはさまざまな要素がありますが、重要なものの一つに難易度調整があるのです。

ゲームにおける難易度調整とは?

難易度調整とは、そのまんまゲームの難易度の設計を意味します。

ゲームのレベルってそれぞれ違いがあるんですよ。たとえばフロムソフトウェアというゲーム会社の展開するダークソウルシリーズなんかは難易度が激烈に難しく、一回のクリアなんて不可能な代物です。何回も繰り返して挑戦して失敗を経験に変えてクリアしていくというめっちゃストイックなゲームなんです。

反対に簡単なゲームというのもありまして、それがまさにカービィシリーズです。

カービィシリーズは元々、アクションゲーム初心者に向けて開発された経緯があります。初代星のカービィが生まれたのはほかでもない、ゲームが苦手な人がゲームを楽しくプレイできるように桜井さんが工夫して生まれたモノなのです。

この動画ではまさにそのことについて語られています。

初代星のカービィが出た当時、ファミコンが発売されて末期、スーパーファミコンが発売されて2年ほど経過していました。

ファミコンのゲームはとにかく難易度の高いゲームが多かったのです。特にアクションゲーム。

この理由は要領にありました。スーファミならともかく、ファミコンは容量がかなり少ないため、ボリューミーな作品をつくることは難しかったのです。

RPGなら多少長い作品にすることができても(それでも超絶難易度の作品は多いですが)アクションゲームは限られた容量の中のため、ステージも多く作ることはできず、簡単にしてしまうとすぐクリアできる。

何千円も払ってすぐクリアできてはマズイということで、アクションゲームは難易度を高くすることでゲームボリュームを調整していたのです。

そのため難易度がたっかいアクションばっかりで初心者には敷居が高い。アクションゲームをやりたいという人が限られてしまうような事態になりかねなかったのです。

そこで桜井さんは考えました。初心者も楽しめるゲームを作ろうと。

ゲームが下手でも楽しめるレベル設定

難し過ぎるというのは初心者にとっては苦痛でしかありません。稀に高い壁だからこそ挑戦したいという初心者もいるでしょうが、その場合はほかの分野で何かしらの上級者な場合が多いかと思います。

というのも、壁をクリアする楽しさを知っているがゆえに、はじめからレベル設定をあえて高くすることで高難易度プレイを楽しむというタイプです。

それは精神的には初心者ではなく、もはや経験値が別ジャンルであれ培われているので特例という感じですね。

なので通常の初心者の話。

ふつうなら経験していないことに取り組む際、難しい内容だと速攻で辞めたくなります。

それはスポーツ然り勉強然り楽器然りなんでもです。

現在の自身が楽しくできる方法というのは、レベルの設定の仕方にあります。

スポーツで言うなら、野球やったことない人がいきなり試合で打席になんて立つのシンドイですよね。楽器触ったことないのにいきなりライブやれなんて言われてやりたいでしょうか。

勉強でも基礎単語知らないのに政治経済の話されても、同じ母国語のはずなのに「日本語話してください」なんて言いたくなりますよね。

ゲームだって同じです。アクションゲームでも、初心者が多くの作品のように激ムズ難易度のものを初心者がプレイなんてしたくありません。したとしても30秒くらいで辞めたくなるでしょう。

アクションゲーム(ファミコン)のレベルの高さ

桜井さんはご自身の解説されたチャンネルでご説明くださっていますが、ファミコンゲームのレベルがどういう風に高かったのか。

それは落下すれば1ミスという点です。

アクションゲームは通常、床面の無いところから落下すると死亡してしまいます。

これはゲーム慣れしている人なら当然の概念ですが、アクションゲーム初心者にしてみればこれだけで激ムズ難易度です。なぜならアクションゲームに慣れていないということは、アクション操作に慣れていないということ。

野球にしろサッカーにしろ、楽しいと思えるのは基本の身体操作が可能になるからこそ。たとえばバットでスイングして打球を吹っ飛ばすとか飛んできたボールをキャッチできるとか、サッカーでいうなら足使ってボールを思い通りにある程度蹴飛ばしたり足で止めたりできるようになってからです。

なのでまずはその楽しいと思える段階に達するために練習が必要なわけです。

アクションゲームでも慣れていなければ練習が必要です。けれど練習する前にそもそも””落ちたら一発でミス”なんてルールを課せられてるのはけっこうキツいものがあるでしょう。

僕はアクションゲームが好きなのでそこのハードルは大丈夫ですが、慣れてなかったらダルいだろうと思います。ダルいと思った時点でやりたくない気持ちも分かります。

桜井さんはこの『アクションゲームの謎に高いハードル』をどうにか解消して、アクションゲーム初心者でもプレイしやすい、つまり”プレイしたくなる難易度調整”を目指してゲーム作りをされました。

それがカービィの代名詞の一つともいえる浮遊アクションです。

カービィはそう簡単に落下死しない

カービィをご存知の方ならピンとくると思います。

口いっぱいに空気をほおばってまんまる丸ピンク化してぷかぷかと浮いているビジュアルが。

あああああああクッソああかわあああああいいいいいいい!!!!!!!!!

そうですねっ♪

このかわいいビジュアルはなにも女子ウケねら……ったのもあるかもしれません。なにせ初心者が楽しめる=アクションゲーム慣れしていない女性もターゲットに作られたでしょうから、だからこそカービィはむっちゃ可愛いんですよ。ええ。

(個人的にはスーファミまでの可愛さが好きですが。以降はちょっと媚び過ぎ…まぁ桜井さんがカービィ作品に携わらなくなったのでしゃあない!でも下村慎一さんがディレクションした作品も好きですよ!カービィ2と3と64!)

適度に気持ちよく脱線したところで本題に戻ると、カービィがぷかぷか浮かぶのは落下死を防ぐためです。つまり空中アクションをプラスすることで、アクションの難易度を下げることにしました。

こうすればステージを浮遊しているだけで進行できるので、初心者でもずーっと浮いてりゃ進んでいけます。もちろん難易度を下げたことで簡単にはなってしまいます。ゲームに慣れた人からすれば物足りなくもなるでしょう。

しかし初代星のカービィのターゲット層はあくまでゲーム初心者。そのため今までアクションゲームに親しんでこなかった、むしろ苦手意識のあった層をプレイヤーにすることに成功したのです。

初代星のカービィはマリオやゼルダのように歴史があったわけでもないのに、ヒット作となりました。

マリオでクリボー踏むのは大変

ステージを移動する難易度を浮遊アクションで解消するとともに、敵を倒す難易度も下げたのがヒットの要因でもあります。

というのも、アクションゲームはステージをアクション操作で進行するだけでなく、敵との対峙も課題になってきます。つまりアクション操作で敵を倒す必要があるのです。

ところが、これもアクション初心者にとっては一苦労。

例で挙げればスーパーマリオブラザーズです。ファミコンアクションの金字塔、というかアクションゲームの金字塔。もはやアート。

じつは桜井さんはアクションゲームを企画した際、偉大なるBダッシュを生み出した世界的芸術作品であるマリオブラザーズを参考にされました。

しかし、マリオは落下死もあれば、もう一つの課題として敵を倒すのが難しいという点もあったのです。

ゲーム慣れしてる人からすれば「何言ってんの?」と…なりますか?

しょっぱなに出てくるクリボー。

あれ倒すの地味にムズイでしょ。

そうです。クリボーを踏むアクションはムズイんですよ。敵を倒す難易度がじつは高いゲームなのがスーパーマリオブラザーズです。

これについては桜井さんがTwitterで言及されています。

ここで触れられているように、マリオは敵に極端に近づいて倒す必要があります。

一発目に登場するクリボーはただマリオに向かってトコトコ歩いていくるだけです。

作中でも最弱のキャラクターでありながら、実際には最強ともいえます。なぜならいままでプレイヤーをぶっ倒してきた数でいえば圧倒的ナンバーワンでしょう。

だって上級者も初心者も全員がまずはじめに対峙する敵なんですから。アクション慣れしていないプレイヤーはまずここで死にます。最弱であり最強の敵。

ちなみに開発当初は一発目の敵がクリボーではなく、パタパタという羽根のついた亀が敵キャラでした。が、あまりに難易度が高過ぎてクリボーに変更されたという経緯があります。

それほどまでに敵に近づいて倒すというアクションは難しいのです。(続編であるスーパーマリオブラザーズ2は、高難易度作品として発売されたので一発目の敵がクリボーではなくパタパタです。レベル設定を物語る好例といえますね)

カービィは踏まずにすいこんで倒す

なので敵を倒す難易度を下げましょうってことで、カービィは敵を吸い込めます。つまり敵に大接近しなくても倒せるのです。

さらにすいこんだ敵をはきだせます。これによって遠距離攻撃が可能なのです。

移動アクションも攻撃アクションもすっごーくかんったんっっ!

はい初心者もめっちゃ楽しいゲームになりましたとさ!!!

難易度設定から見る初心者の『楽しい』

このようにアクションゲーム慣れしていない作品を生み出すために、桜井さんはゲーム難易度の設定、つまりどれだけ簡単にするかを意識されたのです。

これはどんなことにも言えます。

新しく初めておこなうものに取り組むときは、星のカービィをプレイする気でやりましょう。

つまりいきなり難易度高いものをやる必要はないんです。楽しむために必要なのはいまのレベルに合うことをやるんです。

いきなりデスメタルの高速ドラムを真似するなんて不可能です。サッカーでリフティング100回は無理でしょう。体力ないのにランニング10キロは無理、勉強習慣無いのに1日10時間の勉強なんてはいむーりー!!!!!

じゃあまず星のカービィからです。簡単なことからやりましょう。

なぜなら簡単なら楽しいからです。

初心者にとって簡単と言うのは、けっして生ぬるいなんて意味ではありません。

適正という意味です。

ボクシングのトレーニング積んできたからこそスパーリングなり試合は楽しいんです。自信もったギターテクを持ってるからこそライブで調子こけます。

まずはなんでも。

簡単な難易度から設定して楽しみましょう!

上手くなってからダークソウルやりゃいいんだようまくなってからやりゃあ!!!