人間のエネルギーというのはどこから生まれてどこに流れていくのか。
生きるという本能の元に活動してはいるものの、個体各々が頑張る理由ってのはいろいろあります。
なにをエネルギー源とするのか、なにを目標とするのか。
だれかに認められてたくて必死こく人もいれば、己の理想を叶えるために追求するという人もいるでしょう。
だれかを守りたいという人もいれば、だれかを越えたいから動くなんて人もいる。
こういう個人個人の動機なんてのは別にそんなに多くありません。大抵が分類できます。
で、これら動機それぞれに向かって真っしぐらに進むのが人生っつうデカいパズルのこれまた大きな1ピースなわけですが、そのためには努力だったり才能だったり行動だったりが必要なわけです。
あれこれで実力をもってして、動機による目標を達成していくってなけで。
が、実力を冗談じゃないぐらい発揮できるなんてのは漫画の設定よろしく、なかなかあることじゃあないですよね。
目次
何もしなくても超人、2%
世の中には天才と呼ばれる人種、ギフテッドと呼ばれる先天的に高い知能や特性を有した方々がいます。何もせずともただ生まれ持ってただ居るだけで才能を発揮する2%の選ばれし存在。
俗にもてはやされる彼ら彼女らは、稀有ゆえに残り98%が抱えられない特有の悩みを有しているので幸せいっぱいかどうかはさておき、こと才能を発揮するという点においてはすこぶる優秀。なんてったって生まれ持ったものがあるわけですからね。
まあなんにもしないで才能を発揮できることを望むこと自体どうかとは思うんですが、憧れの対象になるのも無理はないんでしょう。人間は基本的に楽を求めるもの。
あなたも正義超人ばりに覚醒できる!?
とはいえ、「天才でなくても己の実力を覚醒させる方法がある」と聞けば、いくら怪しい話でも飛びつきたくなるのでは?
あるんです。
ええ。
あるんですよ。
今日からあなたも天才です!!!
詳しくは指定URLから個人情報とクレジットカード番号あとセキュリティコードを入力してくださいなんて言う話ではなく、ある条件下でものすごい力を発揮できるのです。
だれしも耳にしたことのあるワードですよ。
それは
火事場の馬鹿力です。
「それ火事場のクソ力だろ!!!!」
とツッコミ入った人はキン肉マン好きですねどうも!!!
まぁ今回の話題とまったく無関係じゃないのでイカしたオープニングに触れつつ進んでいければ。
今回話題にするのはクソ力ではなく馬鹿力!
火事場の馬鹿力とは?
なんとなく聞いたことあるかと存じますやたらと力の籠もったこの言葉。
語彙の説明からいきますと、連想するイメージそのまんまの話です。
火事のときに自分にあるとは思えないようなとてつもない大きな力を発揮して、めちゃくちゃ重い物を持ち出せるという嘘みたいなエピソードからですね。
ゆえに切迫した状況下ではエグい力を解放できるというもので、先のキン肉マンでいえば火事場のクソ力は、キン肉マンやその一族が窮地に陥った際にとんでもないパワーを発揮することをいいます。
個人的に敬愛するキャラクターの火事場の馬鹿力でいえば。
メタルギアソリッドというゲームに登場する謎のサイボーグ忍者グレイ・フォックスが、ラスボスのリキッド・スネークに片腕ブッタ切られて壁に押し潰された状況下で「追い込まれた狐はジャッカルより凶暴だ!!」と咆哮しての命懸けの反撃。
本人は麻薬漬けでほぼ殺人鬼ですけど!!ちなみに具体的な状況は下記ですす必見!!!!!!
うわカッコ良過ぎ!!!!!!!!!!!
なに個人的な動画貼っつけてんだよ脱線ぷりエグいぞというわけでもなく、一応本題にモロに関わってきます。まさに火事場の馬鹿力ですからねこのシーン、命関わってますし。身一つでガンダムみてえな兵器支えてますし。ヤバい!!!!!
このようにキン肉マンといいグレイ・フォックスといい架空のキャラクターが窮地に陥って普段以上の力を発揮するというシーンは創作作品においてポピュラーですよね。
(グレイ・フォックスは通常時から常人離れした力を持ってますが。というか常人じゃないですけどいろんな意味で。詳しくはゲームをプレイ!!!)
名残惜しすぎるFOXの名前を持つ男の話はこの辺にしておいて、この火事場の馬鹿力ってのはやれ創作作品やれ御伽草子のみの夢物語かといえば、じつはそうじゃないんじゃないかって話をしたいからですな。
火事場の馬鹿力は本当に出せるのか?
筋肉博士こと東京大学の石井直方教授の解説によると、火事場の馬鹿力は脳と筋肉の関係で生じているといいます。
火事場の馬鹿力は先に述べたように、緊急事態やら何やら非日常的な出来事に直面した際に発動することいいますが、これはマジです。マジである力です。
しかし実際の火事の現場やら第20回超人オリンピックでロビンマスクの必殺技食らったときやら核搭載二足歩行戦車メタルギアREXに押し潰されかけたときのように、とにかく厳しい条件下でなければ発揮されません。
というのも、人間は自分の意思で最大筋力を出すことはできないのです。
自分の意思で発揮できる最大筋力を随意最大収縮といいますが、この際にすべての運動単位が使われていない、というのが関係してきます。
火事場の馬鹿力の研究結果
火事場の馬鹿力、つまり最大筋力の発揮は、1950年代頃から研究されてきたものなのです。
実験の報告例でいうと、筋肉に最大の力を出させた状態で、筋肉につながっている電気刺激を与えることで、己の意思で発揮するよりも大きな筋力が出たという結果もあります。
ほかにも催眠術を使った実験なんかもありまして、随意最大筋力(”随意”は自分の意思ってことです)を計測した後に被験者に催眠術をかけて、その後もっかい最大筋力を測ることで随意よりも大きな力が出たという報告もあります。
「催眠術とか急に怪しい話出されてもよお!」となるかもしれませんが、催眠術はけっこう話の本題に関わってくるものなのです。
というのも、この随意による筋力か否かは、脳が関連しているから。
人間は脳にブレーキをかけられている
また漫画やらゲームやらの話になりそうですが、筋力と脳の関係こそが火事場の馬鹿力にモロに関係しています。
先の実験結果のように、筋肉をフルに活動させようとしても己の意思のみでは最大限の筋力を発揮できない、言い換えれば運動単位のすべてを使うことができないのですが、これは脳の中枢でブレーキがかかっているからなのです。
自分の意思やら意識のみでは自分の能力を最大限発揮できないというのはなんとも興味深い話です。
まあそもそも意識ってものが現在の自分をコントロールするものではなく、現在とは無意識によって大きく動かされているので、人間は自分を自分で動かしているなんて簡単甘っちょろい話では無いのですが、とにかく人間様の脳味噌が人間様自身にブレーキをかけていることを”中枢による抑制”といいます。
ブレーキによって100%の力は発揮できない
このブレーキの強さというのが現在研究中なのでハッキリとしていないのですが、筋肉に対する電気信号を与える方法やらなんやらで総合的に判断したところ、70%から90%程度の力を自力で発揮できるということになっています。
これを多いと思うのか少ないと思うのかは人それぞれでしょうが、ハッキリ言えるのが100%の力を発揮することはできていないということです。
電気による実験でも、100ボルト程度の刺激を短く筋肉に与えるおkとは行っていますが、電気による刺激がこれ以上になるとバッチリ拷問レベルになるのでガンガン電力をアップするわけにもいかず、現在の研究では筋肉のポテンシャルを完全把握するには至っていないというわけですね。
なぜドーピングが無くならないのか
なら眠っているパワーを発揮してたいというのが生物の性っつうわけで、どうにかしてパフォーマンスをアップしたいと思いますよね。
これがスポーツの場においてはめちゃくちゃ顕著です。
しかも国を背負っていたり賞金が出たりと名誉やら金が絡んでくれば違法でもなんでもこいってなもんで!ダメですけどねーダメですよ!
ダメですが古来からあるんです。御禁制による能力のアップってのが。
ドーピングです。
よくスポーツ界でも取り沙汰されますよね。このドーピングは歴史がかなりありまして、単語の起源自体はアフリカ南部の原住民かフィール族が祭礼のときに飲むという強い酒「dop」だといいます。
ここから転じてスポーツにおけるドーピングとは、スポーツ競技において禁止されている物質やら方法によって競技能力を高め、意図的に優位になることをいいます。
物質というのはよくイメージされるドーピングで、禁止薬物を使う行為ですね。
ドーピングは薬物以外にも”方法”がある
意外なのは”方法”もドーピングに入ることです。ルールに反するような行為を隠して行えばドーピングというので、なかなかドーピングにまつわる話も興味深いですが、今回の話題において禁止薬物にフォーカスした上で語ってみますと、1960年のローマオリンピック競技大会においてアスリートがドーピングでお亡くなりになったことでドーピングを取り締まる動きが生まれました。
死ぬレベルで人体に薬物を投与してまで勝とうとするその執念たるやある意味で天晴れですが(無論両手広げて歓迎なんてできる話では毛頭ありませんが)それだけ自身の能力を覚醒させようとする動きは昔からあったというわけです。
昔からどころか馬にまで使用されていたドーピング
なんだったら人間のみならず競走馬の世界でもドーピングというのはあるくらいです。禁止薬物のテオブロミンを含む肥料添加物のグリーンカルを摂取させたってことで、中央競馬で競走除外となったという話もあったりと、競い合う生物にとってドーピングは切っても切れない関係にあります。
(なんだったら古代ローマオリンピアでの二輪馬車競技の馬に蜂蜜飲ませて走らせたなんて話もあるくらいです。発行したらアルコール分を生成するので興奮作用があったからですね)
これだけドーピングが問題沙汰になるので、ドーピングを排斥するための活動を行うアンチ・ドーピング機構が存在してるくらいですから、まあそれだけ昔から人々は能力を解放したくてしたくて仕方なかったわけです。
ドーピングあれこれ
ドーピングと一口にいってもいろいろありまして、興奮剤を使って闘争心やら集中力を高め、眠気や疲労感をなくすアンフェタミンが精神運動興奮薬ではメジャーです。
ほかにも交感神経作動性アミン系興奮剤のエフェドリンやら、中枢神経興奮剤としてなんとカフェインがあったり、あとモロに麻薬取締法でアウトになるモルヒネなんかもあったりと、薬物によってパフォーマンスを向上させようとするものは多種多様。
なんなら筋力増強作用を持つ蛋白同化剤なんかもあるので、思いっきり肉体の能力をアップさせようとするものまであります。
このように人間は常時の能力では物足りないという自覚があるので、なんとか外的な要因だろうがなんだろうがパワーアップする方法を模索してきたというのが、ドーピングの歴史やら内容を見ても分かりますね。
叫べば超人になれる!?
しかしまあこういうアウトな薬物を使うのはスポーツマンシップに反しまくるだけでなく、洒落にならない副作用で苦しめられるわけです。ゆえにドーピングによる死亡事故なんてものが発生するわけで、それなら自力で自分の秘められし能力を解放したいところ。
では脳がブレーキをかけている自力を自力によって最大限発揮するには、つまりブレーキを解除するにはどうすればいいのか。
叫ぶのです。
「は?」
と思った方、当然ですね!
んなもんそれこそ漫画やらアニメやらゲームの話じゃないかとツッコミ入れたくなるのは分かります。よくありますよね絶叫してパワーアップするなんていう陳腐な表現が。
あれは本当です。
「嘘やん?」と思った方、その気持ちは素直です!素直なんですがこれ証明されてるんですよねビックリすることに!!
シャウト効果
これをシャウト効果と言います。やり方は簡単。大きな声をあげて中枢の働きを変えてしまい。運動単位をたくさん動員して筋力を上げるという方法です。
ちなみに運動単位とは、筋骨格の収縮を引き起こす最小単位で、簡単に言えば運動単位を動員できればできるほどパワーが出せます。
「んなことで能力が上がれば苦労しねえよ」と思った方に朗報です。筋力が上がるというデータが出ています。マジでえ!?!?
気合い入れたり鼓舞するという場面でよくやられてるシャウトですが、運動単位をたくさん使うには打ってつけだったわけですね。
昔テレビ番組で司会者が(たしか島田紳助だったと思うんですが)プロのバレーボール選手に「毎回毎回点数が入った時にチーム全員で叫んで疲れるだけじゃないのか?」と疑問を投げかけた時に、選手が興味深い回答をしていたのを思い出します。
「たしかに疲れるくらい叫んでいるのはどうかと思って、みんなで叫んで鼓舞するのを止めたことがあります。すると不思議なことに戦績が落ちたんです。」
これには司会者も周りの人々も驚いていましたが、これにはチームの一体感を増したり士気を上げる効果も考えられます。しかし総合的に見て戦績が上がっているとなれば、シャウト効果がモロに反映されている好例といえるでしょう。
天才になりたきゃ超人になりたきゃ叫ぼう!
てわけでキン肉マンよろしく火事場のクソ力を発揮したければ、火事場で本気出すがごとく思いっきり絶叫して己の眠ってる筋力能力を叩き起こしてやりましょう。
そうすりゃ今日からあなたも正義超人!!!
とは簡単にはいかないかもしれませんが、よりパフォーマンスを発揮することができるかもしれませんよ。
へのつっぱりはいらんですよ!
要るのは行動のみっつう感じで!