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人間が健康でいるためには肉体を健康に保つためはもちろんのこと、脳を健康に保つことも必要不可欠。
身体だけ健やかにするだけじゃあ健全さから距離がありますゆえ、頭んなかのことまで考慮した上であれこれやっていきたいところです。
解剖学者であり医学博士の養老孟司さんも「頭が良いだけじゃダメだ。頭が丈夫でなければいけない」と仰っているわけで、脳の健康はそのまま人間存在としての健康に直結するわけで。
脳を健康に保つためには、脳を鍛えるのが大切。とはいえ脳にプロテイン飲ませたりダンベル持たせるなんてことはできないので、肉体とは別のアプローチが必要になってきます。
あれやこれやと脳をトレーニングする方法ってのはありますが、今回はそのなかでも面白いものを紹介しましょう。
トレーニング内容は「嫌なことを経験する」です。
嫌なことってどんなこと?
「なんじゃそら?」という話ですが、まあみなさま日々をお過ごしされてりゃ嫌な思いの一つや二つってのあるのではないでしょうか。
あんまり心地よくない話題ですが、今回のテーマに重要なことなのでとりあえずどんどん進んでいきますよー。
嫌な思いっつうといろんなことがあります。別になんでもいいです。嫌だったらなんでもいいです。
「あれーちょっと太ったー?」でもいいですし「年齢よりも老けてますねー」でもいいですし「つまんねーやつ」なんでもいいです。
テストの成績が悪くて落ち込むのでもいいですし、一生懸命料理作ったのにパートナーのリアクションがイマイチだったとか、仕事の結果が出なくて上司に怒鳴られただの同僚からバカにされただのなーんでもいいです。
例示しておいてなんですが、ネガティブワードが乱立するのは気色が悪いもんっすねー。
「嫌なことなんて経験したくない…」そんなあなたへ朗報!
で、こういう嫌なことってのは、だいたいの人が嫌なことをまあ避けたいです。というか望んで嫌なことに直面したい人なんてまあ珍しいでしょう。
ですが、この嫌なことってのはじつは案外捨てたものでもありません。
「嫌なことなんて少しも感じたくない!ずっと幸せでいたい!みんなもっと優しくしてよお!」と嘆きたい方にとって残酷な現実を伝えれば、そんなことは100%ありえないのでどうにかしましょう。
突き放すわけではなくむしろ逆ですよ!
なぜなら自力で嫌なことを解決できる効果が「嫌なこと」自体に秘められているからです。
嫌なことを経験すればどうなる?
じゃあ嫌なことを経験したらどうなるかってな話ですが、「Twitterに愚痴書きたくなります」とかだれかに嫌がらせしたくなりますと言う人は、素直でいいですね!
まあ嫌なことを感じればストレスになるのは承知の助ですが、嫌な思いをすれば気分が悪くなって最悪なメンタルになるだけだと思ってる方に朗報です。
じつは嫌な体験をすることで、メンタルは逆に強くなります。
「なんだと!!!」という感じですよね。嫌なことがあればメンタルにくるってのに、それがじつはメンタルに良いと?
実際にメンタリストDaiGoさんがその内容を語っておられまして、目から鱗的な話題です。
さっき言ったような、日常的な嫌な体験というレベルはもちろん、もっとエグい体験をした人もメンタル的にスーパー強くなるというのが判明しているのです。
トラウマレベルの経験がもたらす才能
たとえば不治の病からなんとか復活した人や、震災を体験した人、遭難して命辛辛生還したなんて人まで、トラウマレベルになる経験をした人ほどクリエイティビティがアップするってことが分かったのだとか。
これけっこう創作ではよくありますよね。
漫画ドラマ映画アニメゲームなんでも創作ストーリーでのめっちゃ強いキャラクターって、ものすごい逆境を乗り越えていることが多いでしょう。
むっちゃヤバい事故から生還しただとか、とんでも人体実験の末に最強の能力手に入れましたとか。
昔ジャンプの読み切り漫画で読んだ内容で、即死レベルの毒をあえて身体に注入することで絶命しなかった人間だけが超人的な能力を手に入れるという話がありましたが、それ思い出しましたよ。
メンタル強くなるどころか灼熱生み出せるようになっちゃいましたが。
メンタルを鍛えるだけでなく賢くなる!?
嫌な経験をすればするほどメンタルが鍛えられるだけでなく、なんと判断能力を高めることも分かっているといいます。
実際にケンブリッジ大学が行った研究では、トラウマが脳トレになったなんて話もあるくらいです。
トラウマを持つ学生48人を対象に(すげえ人選ですね)、参加者に60個の単語を見てもらって3つの指示を出しました。
1.出てくる60個の単語をできるだけ覚える
2.モニターに出る単語が緑色の文字なら単語を読み上げる
3.赤なら読み上げない
で、トラウマがないグループとあるグループに分けて実験したようなんですが、結果トラウマがあったグループの方が判断成績が良かったというのです。
ちなみにほかにも記憶力のテストや単語の穴埋めクイズなんかもやったのですが、それでは結果はあまり変わらなかったのだとか。
高度な自己コントロール能力の獲得
このことから分かったのは、過去に辛い体験をした人は、自分の思考を瞬時に止めることに長けているということでした。
つまり思考のコントロールが上手いため、文字の色を瞬時に識別す際に冷静になれたということ。
これは嫌な体験やら辛い体験が脳の特定部位を鍛えて、自分をコントロールする力が鍛えられたからなのです。
辛い経験がないキャラ=主人公になれない!
たしかにマンガやらドラマのキャラクターよろしく、とんでもない経験をした人は妙な落ち着きがあったりして、只者ではない雰囲気を醸し出したりしていますよね。
現実にも雰囲気が独特の人というのは、やはり過去に通常では味わわないような体験をしていることも多いです。俗に言う「オーラが違う人」ってマジでいますからね。
これらの理由は脳が鍛えられることで、メンタルコントロールのスキルが常人よりも高いことが理由の一つといえるでしょう。
もちろん嫌な経験ってのは望んでやりたいものではないですが、言ってみればトレーニングは高負荷をかけるという意味では、シンドイ練習も嫌なことに入ります。
嫌なことをすればするほど鍛えられるのはわりかし理にかなっているので、嫌な経験は捨てたものじゃないと考えるのはメンタル的にも有用。
では、逆に言えばです。
嫌なことを避けているだけの人というのは、どうもいまいち人間としての魅力に欠けがち。
当たり障りのないリアクションやら、周りに溶け込むことに全身全霊一生懸命に取り組んできた人は、嫌なことを避け続けてきたカテゴリーに属するので、それゆえに影も形も薄いというか存在感がないというか。
モブキャラとは?
モブキャラが例として分かりやすいですねこれ。
漫画やらゲームで背景の一つみたいに描かれてるキャラをモブキャラといいます。いわゆる群衆です。
このモブキャラは修羅場をくぐってない多数派の人々を描いているから印象に残らないわけで、嫌な経験をしてこなかったらしてこなかっただけモブキャラになるというのは的を射ているでしょう。
るろうに剣心の日村剣心なんて幼少期から冗談じゃない数の暗殺をこなしてきた挙句に最愛の妻を自らの手でぶった斬ってますよ!!
世田宗次郎なんて親族全員から毎日暴力喰らわされたすえに全員からブチ殺されかけますし!!!
志々雄真実に関しては味方に全身刀で貫かれ倒して身体燃やされてますからね!!!!
モブと主人公たちの差よ。
困難はクリエイティビティまで上昇させる!
このようにマンガやらゲーム、アニメのキャラが屈強な精神力と実力を有しているのはなにも御伽噺なだけではなく、現実の事象に則った誇張というのが的確な表現でしょう。
生物はそもそもが困難に陥った際に環境へどのように対応するかが求められるため、困難が多発すりゃあそれだけ困難に対応できるように脳やら身体が強化されるのは当然です。
先に述べた嫌な経験をすることで判断能力を高めるのは、困難な状況においてより状況判断能力を鍛えることで、非常事態に備えられるように脳が賢くなっていくとも考えられます。
逆説的に言えば、生ぬるい生活送ってりゃあ頭までゆるゆるになっちまいかねないってことですね。人間は睡眠時間が伸びれば伸びるほど寿命が縮むなんてとんでも研究結果も出ているくらいで、適正睡眠時間を超えて必要以上に寝るのは睡眠不足ばりに身体に毒。
なんもしなけりゃなにもしたくなくなる
肉体に刺激を与えなければかなりヤバいというわけです。休日に横になって過ごすことの多い人はけっこうヤバいです。というのも横になって過ごすことが多いと、身体は「エネルギーを使わなくてもいい」と判断するため、やる気がどんどん無くなっていきます。
そのため何もしないサイクルに陥り、どんどんどーんどんなーんもしない人間になっていき、結果的に脳も肉体も劣っていく一方というわけです。ヤバい!!!!
辛い体験をすると言うのはその真逆に位置して、どうにか過酷な状況を解決するために、肉体を強くしようとサインを送っているとも考えられます。
実際にメンタルや判断能力が鍛えられるだけでなく、クリエイティビティの上昇まで判明していますからね。つまり創造性が高くなるというわけです。
これはキツい体験やらシンドイことを体験をすることで、物事を新しい側面で捉えられるうようになるからだといいます。
DaiGoさんのエグい困難体験
ちなみにメンタリストDaiGoさんは小学校2年から中学校2年まで8年間イジメられて友達0というすっげえ辛い経験を送っていて、授業中に初めて反撃したことでイジメが一切なくなった経験から、すべては行動によって解決するという悟りを開きました。
このときの反撃方法というのが図工の時間に鉈をブン投げて同級生を本気でヤっちまおうとしたのですが(yeah!!!)、相手には殺意が充分に伝わったので、その瞬間からイジメがなくなったのです。ハードロック!!!!!!!
スーパー極端な事例ではありますが、このことから自分が行動することの重要性を肌身で実感し、そっからの活躍によって今では月収で9億超える月もある方となりましたーめでたしめでたし。
これらを踏まえてDaiGoさんは「挫折だけが人生を変えてくれる」と考えているそうです。
辛い体験によって人生に新しい視点を見出そうとするため、多角的に物事を考えられるようになって新しいアイデアが思いつきやすくなり、その結果、眼前の問題を解決して乗り越えるようになることができるといいます。
マンガやらアニメでいえば確実に彼を主人公として作品一本仕上げられますね。
というわけで主人公格のDaiGoさんはやっぱりエゲッツない困難に直面したゆえに、いまのスーパー金持ち化につながってるわけで。平気で200万のワインをアクエリアスみてえにボトル開けられますからね。ひょー!
困難が生物を強化する
困難が生物を強化するってのは人間はもちろんのこと生物界ではまあまああったりまえのことです。生物界は人間界ごときとは比べるまでもなく、常に生と死が隣り合わせになっているサムライワールド。
そのためいかに困難やら過酷さに適応するかは日常茶飯事なわけで、夜眠るときには次の朝日が見られるかどうか分かんねえという武士の心でマジで過ごしているのです。
ベルクマンの法則
これを証明する生物界の理屈に「ベルクマンの法則」があります。
ドイツの生物学者クリスティアン・ベルクマンが発表したことに由来するこの法則は、寒い地域の動物であればあるほど、体が巨大になるという興味深い内容。
クマを例に挙げると、熱帯に生息するマレーグマの体長は100cmから150cmなのに対して、北極に生息するホッキョクグマはメスで体長1.8cmから2.4cmと両者で大きな差が生じています。
これには体内の熱の生産量が関係しているのです。
外界の温度に左右されず常に一定の温度を保つ「恒温動物」は、逆に言えば常に一定の体温を保つ必要があります。
そのために体内で生産した熱を体外に放出するのですが、熱の生産量は体重にほぼほぼ比例。そして熱の放出量も、体表の面積にほぼほぼ比例。
これにより、体長が2倍になると熱生産量は8倍になるのですが、熱放出量は4倍に留まるのです。
つまり身体が大きくなるにつれて、熱を放出割合が減っていくため、寒い地域の動物は身体を大きくすることで体温維持を可能にしているってわけですね。
このベルクマンの法則には例外があるため、完全に生物の大きさと寒さの関係を完全に説明するものではありません。たとえば人間でいえば、極北地方に居住する採集狩猟民のエスキモーはわりと小柄ですからね。
とはいえ、過酷な環境に対応するためにビジュアルも屈強になるというのは面白い話です。人間でいえば北欧やらロシア人の身体がゴッツイのにもこの寒さが関係しているとすれば興味深い話。
総合格闘技で最強の名を馳せたエメリヤーエンコ・ヒョードルもロシア人ですからね。身長は183cmですが体重110kg。デカイ。
困難最高!
というわけで、たかが日常の嫌なことがあってもたかが嫌な気持ちになったなーで済むわけですよ。
しかも嫌なことやら辛い経験ってのはストレスになるだけじゃなくて脳味噌を現在進行形で強化できてる証拠なわけですから、むしろ喜んでいいわけで!
変にネガティブにならずに「いまめっちゃ最高やんけ!!!!」と前向きに考えれば無駄にストレス溜めないでアクティブに動けるのでオススメですよー。実際強くなってるんですから。
目の前の困難を解決できるのはほかでもない自分自身なので、嫌なことも辛いことも全部餌にして糧にしてエネルギーにしてガソリンにしてテメエの望む未来に向かって爆走しちゃってくーださーい!!!