目次
トレーニングする場合でもスポーツの練習するときでも、どっちみちものすごい重要になるものがあります。
それはお気に入りのトレーニングウェアでもなければテンションばっきばきに上がる音楽でもありません。
…いや、たしかどっちもものすごい重要ですけど。自分に合ったトレーニングウェアはパフォーマンスを上昇するために必須ですし、音楽も練習の質を上げるためにもモチベーションをアップするにも重要ですからね。
では言い直して、トレーニングの質や練習の質を上げるためにそれよりも重要なものがあります。それはなにか。
意識です。
運動における意識とは?
「哲学の授業?」と思った方には、まあたしかに哲学的な側面もある単語ではあります。
意識が自分を固定している存在なのかは古代から議論の的であり、朝目覚めたときの自分ははたして眠る前の自分と同じ存在なのか、意識があるからといって意識を持つ自身は、昨日の自身と今日の自身で同じ存在といえるのか。
なんて「意識」をテーマに脱線すればするほどとんでもない話題になるようなものではありますねー。
肉体なんて一定サイクルで食ったもの飲んだもので完全に入れ替わってるんで、物質的な基盤なんざなにもなく肉体を根拠にして”私”といえるものなんてどこにもなさそうですから意識ってのは不思議なもんですけどねー。
(消化管は2、3日、筋肉は2週間、血液細胞は数ヶ月で入れ替わるから1年前のあなたと今日のあなたは”別人”です)
頭痛くなるような脱線はさておき、トレーニング時においての意識とはどういうことかというと、シンプルにいえば「考えて身体を動かす」といったところでしょうか。
スポーツにおいて「考える」のは非常に重要です。運動神経が抜群なんて言われる人は、感覚で身体を動かしてサッカーでも野球でも学生時代からスターになるタイプの遺伝子持った、と決めつけるのは早計。
勉強できなくてスポーツができる人は頭がいい
まあ感覚で人並み以上の実力を発揮するタイプはたしかにいます。それこそ勉強は苦手なのに体育の時間に三國無双みてえに輝く生徒ってのはどこにでもいますよね。
しかし彼らは勉強ができなくてスポーツの才能だけが優れている、なんて都合のいいものではなく、じつはスポーツだけできてアホなわけではないのです。むしろ賢いからこそスポーツができます。
なぜ勉強が苦手でもスポーツができるのかというと、勉強的に頭は使ってなくても運動的に頭をちゃんと使っているわけです。
というのも、野球やサッカーでは単にボール投げたり蹴飛ばせばいいなんてことはなく、周りの人間の動きやら対象物(ゴールや味方ですねこの場合)を把握した上で行動しているので、やってることはエゲツないレベルで脳髄フル回転させて行動と判断を実践しまくっているのです。
感覚的に頭を動かしてスポーツが優秀な人は、なんだかんだで発想が豊かだったり喋りが面白かったり、コミュニケーション力があったりとやっぱり座学の勉強以外でも秀でてる部分ってのは見えてきますからね。
勉強もできてスポーツもできる人間はめちゃくちゃ強い
では、その感覚的にスポーツやってる人間よりもさらに上にいくプロスポーツマンやらアスリートは何をしているのかというと、意識して行動しているのです。
学校でもスポーツもできて勉強もできる文武両道最強タイプがいますよね。彼らは運動で優秀な成績を収めるのはもちろん、リーダーシップも発揮したりと、運動のできるグループの中でもトップに君臨する力を有しています。
それはなぜかといえば、感覚という右脳的なアプローチだけでなく、左脳によって論理的に思考してスポーツに取り組むこともしているわけです。
つまり右脳と左脳どっちも使っているからこそ、人よりも優れた結果を残せるんですね。スポーツは得意だけど勉強が苦手ってタイプの人は、片方の頭しか使ってないからこそ両脳を使ってる人には一歩及ばないなんてところでしょうか。
事実、感覚でスポーツをやっている人に論理的にトレーニングやら身体の動きを説明しても「…いや、そんな難しいこと考えてやんのダルい」ってなるか「無理」ってなるかそんな感じです。
つまりこれは意識して運動しているとはいえず、意識して練習をしなければ感覚タイプはどこかで壁にぶつかったときがまあ乗り越えるのは大変なんて事態にも陥りがちです。
意識して運動できる人間は上達がめちゃくちゃ速い
では意識することが得意な人間はどうかというと、言い換えれば考えることが苦ではなく慣れているから運動時にもむっちゃくちゃ強いです。
どういうときにその真価を発揮するかといえば、壁にぶつかる例をそのまま使いましょうか。
たとえば野球で思うように打球の飛距離が出せなくなったときや、急速が伸びない、変化球のキレが悪いなど、なにかしら実力が伸び悩む時期に入ったとしましょう。
このとき、感覚タイプの人間は練習でどこをどう改善すればいいのか、試合でなにをすればいいのか答えを見つけにくいのですが、考える力を有しているタイプの人はそうではありません。
というのも、考える力のあるタイプが原因を解明しやすいわけです当たり前ですが!
ピッチャーであれば「なぜ速い球を投げられないのか」と分析して、その原因を突き止めることができます。
バッターでも同様に、球を吹っ飛ばせなくなった理由を自分なりに考えて、なにが良くないのかを解明することに長けているわけです。
原因を意識して解消するということ
その原因を突き止めることができれば、次に必要になってくるのは改善です。
たとえばピッチャーで球速が伸び悩んでいるなら、フォームを改善する必要があったりします。ですがこのフォームを変えるってのはなかなか難しいものです。
まあバッターでも同じです。スイングのフォームを改善すれば球が遠くまで飛びますよって文政期によって判明したとして、いつも通りのスイングを変えなきゃならないわけのはけっこうな試練。
なぜ難しいかっていうと、これはスポーツやってない人にもいえることですが、普段なんも考えずに歩いてる動きを変えるって難しいですよね?
だってもう身体が勝手に覚えてるわけですから。
だから「姿勢が悪いから直しましょう」なんて言われてもそう易々と矯正できないわけです。
この矯正に必要なのが意識ってわけですね。
身体の動きを考える重要性
身体が勝手に覚えちまってることを頭使って思い通りに変えるってのが、「意識をする」ということ。
だから感覚でだけやっていると、いつまで経っても同じ動きで固定されてしまい、スタート時は天性の優れた感性だけで上達できたとしても、考える力が欠けていれば途中でへし折れるなんてことも珍しくないわけですね。
あまりに練習嫌い過ぎて天才だったけど落ち目になったーなんてプロアスリートもいますけど。サッカーのロナウジーニョなんかは天才過ぎて努力するの嫌だから練習サボってクラブで遊び倒してキャリアが長続きしなかったなんて話ありますし。
感覚だけでワールドカップに選ばれてしこたま富も名声も手にはいりゃあまあそれでもいいかもしれませんねえ!!
プロが実践する意識の力
とはいえ最前線でずっと戦い続けているプロアスリートには、意識の力は必須になります。
意識の力ってのはかなりあなどれないもので、たとえばF1ドライバーが目の前だけをただ見て走るなんてことは不可能です。
一般的なドライバーよりもかなり広い視野を”意識”することで、超人的なスピードによる走行でサーキットを疾走爆走できるわけです。
一流になればなるほど、なーんも考えずにプレイするなんてのはありえず、いかに意識をするかで結果が左右されるといっても過言ではありません。
それこそ天才的なプレイヤーで一見頭使わずにプレイしているように見えるタイプでも、無意識に意識して(ややこしい説明ですね)瞬時に判断することで神業プレイを披露してくれるのですから。
中田英寿選手は”ピッチ全体を意識”する
同様に、サッカーでいえば中田英寿選手の例を挙げてみましょう。プロを引退して全世界を旅して回ったりと掴みどころのない才人といった印象の彼は、現役時代は率先して海外のサッカーリーグで活躍するという、日本人が世界でやってやれんだぞと示した先駆者です。
その彼がなにゆえ島国にっぽんポン!から広大な大陸に進出できたかと言うと、その一つにピッチ全体(サッカーグラウンド)を意識してのプレイをしていたから。
どういうことかというと、並の選手だったら味方やら相手チームのことを見渡してプレイするといったところですが、中田選手の場合は周りを見るなんてことではなく、ピッチ全体を真上から見渡すような”意識”でプレイをしていました。
その結果どうなるかというと、自分からめちゃくちゃ離れた位置の味方の動向も把握できるため、周りが驚愕するようなロングパスやらアシストをかまして絶賛されるという神業を披露できたわけです。
これは中田選手が神がかったプレイヤーだから、と一言で片付けるのではなく、いかに広い視野、すなわち意識を張り巡らせて常にプレイしていたかという証拠でもあります。
どれだけ意識を広く持つかと言うのは、スポーツにおいて非常に重要です。ボクシングでも相手を意識せずにただただパンチを振り回しているだけでは攻撃なんざ当たるわけがなく、相手を意識することではじめて的としてしっかり捉えたストレートを顔面にかませるわけです。
武井壮の子供時代のトレーニング
対人戦においてのみならず、意識はトレーニングにおいても非常に重要です。その例として挙げられるのが百獣の王こと武井壮さん。ありえねえレベルの運動神経を有していて、どんなスポーツでもすぐに体得できるという並外れた才能を有している彼は、陸上の十種競技元日本チャンピオンという桁外れの記録を持っているプロアスリートです。
十種競技って言葉そのまんまで10の種目を2日で行って記録を得点換算して競うので、極端に言えば10の競技のプロフェッショナルである必要があるわけです。
そのチャンピオンってエゲつないですからねマジで。
ではなぜ彼がそんな運動神経抜群なのかというと、生まれ持った才能、というのもまあもちろんあるでしょうが、彼が子供の頃に抱いていた疑問も大きく関わっています。
専修大学で行われた講演会「オトナの学校」で彼はそのことを発言していますが、彼は目を瞑ったまま身体のポーズをイメージして、イメージ通りのポーズができているか鏡でチェックしました。
すると、ぜんぜん違うフォームをしていて愕然としたといいます。
思い通りの動きができるように意識する
これ聞いてすぐ試してもらったら分かりますが、目つむって自分がイメージしたように頭の上に手を伸ばしてみて、寸分狂わず自分の思った通りの位置に手を伸ばせてるかチェックしてみてください。
もし狂いなく手を伸ばせてりゃあ天才です。だがそうはいかないでしょう。武井壮さんですら思い通りに身体が動かせていなかったわけですからね。
そこで彼は思ったわけです。まず自分が思った通りに身体が動くようになれば、スポーツではめちゃくちゃ伸びるに違いないと。
人は自分が見えている範囲の体の動きなら造作もなくできます。水飲もうと思ってペットボトルに手伸ばして取れないなんてことないですよね?
見える範囲の動きはできます。ですが、目をつむったり、それこそボールを投げる時に肩の上に手がある場合や、バットのスイング時の足の動きなど、目に見えていない部分の動きは自分の思い通りのフォームになっていないことが多いわけです。
だからこそ意識をして、動きを洗練させる必要があります。球速が落ちたりバットのスイングが悪い場合は、フォーム矯正のために意識を使って改善して記録やら結果を好転させるってな話です。
“ボディビルダー兼バイトで芸人”なかやまきんにくんの話
話を今度はなかやまきんにくんにしましょう。彼も運動神経マックスで、芸能人やらアスリートでスポーツの結果を競い合う番組「スポーツマンNo.1決定戦」で四冠という華々しい結果を持つボディビルダー兼バイトでお笑いやっている彼は、筋トレにおいてこの意識の力をフル活用しています。
というのも筋トレはジムでバーベルなど使って行う場合、正しいフォームを意識して正しい動きで負荷をかけることが非常に重要です。
誤ったフォームでは鍛えたい部位が鍛えられないだけでなく、怪我にもつながるため。
なのでボディビルターの人は日常的に意識の力を使ってトレーニングをしているわけで、さっきの武井壮さんの話でいうと身体の使い方もうまいといえますね。
なかやまきんにくんのハンパじゃない上達スピード
そのため、トレーニングにおいて「考えて身体を動かす」の習慣を、新しい運動習得の場でいかんなく発揮した場面があります。
総合格闘家の朝倉未来選手に格闘技を教わるというYoutubeの企画になかやまきんにくんが参加したとき、あまりに習得スピードが速いため朝倉選手が驚きを隠せませんでした。
武井壮さんともコラボしてYoutubeの撮影をしたことのある朝倉選手でしたが、あの武井壮さん以上の習得の速さとセンスだと驚愕していたのです。
その極め付けが、格闘技未経験のなかやまきんにくんが初めてミット蹴りを教わった際の話。
朝倉選手が軽くミドルキックのやり方をきんにくんにレクチャーしたのですが、その蹴りがあまりに上手すぎて、朝倉選手がきんにくんを格闘技経験者だと疑ったくらいなのです。
上の動画見てもらったら分かりますが、朝倉選手が「2年経験している人の蹴りだ」と絶賛しています。つうかこれ初日の蹴りって言われたらそりゃ驚きますわな。
ちなみに朝倉選手は少年時代から暴走族50人を2人で相手にして喧嘩するような非常にアクティブな方。お上手言ったりおだてるなんてことをしないクールガイです!
きんにくん自身も朝倉選手の性格を知っていたので、この発言にただただ驚いていました。
それだけ意識してトレーニングするというのは上達において重要なのです。
この動画全体を見てもらったら分かるんですけど、朝倉選手がきんにくんを絶賛しています。
あと動画の全編を通して、いかにきんにくんが考えながら、つまり意識しながら身体を動かしているのかがよくわかるので、スポーツにおける意識の重要性がとてもよくわかる内容ですね。
しこたま考えまくってトレーニングしよう!
てわけで考えに考えまくって身体を動かすというのはじつはめちゃくちゃ上達が早くなるってわけなので、あれこれ考えたり意識したりしてトレーニングしてみることをお勧めしますよー!!!