人気のWordPressテーマ「SWELL」を使ってみた感想。メリット・デメリット

今回は今最も人気のあるWordPressテーマの1つ、「SWELL」を紹介します。

SWELLの特徴や使用するメリット・デメリットについて解説していきます。

SWELLの購入を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

かなり長い記事になるので、時間がない方は「SWELLはこんな人におすすめ」と「SWELLはこんな人にはおすすめできない」だけでも目を通してください。

この記事は、WordPressテーマ開発者かつ長年ブログを運営している筆者SHIROMAが、さまざまなテーマを使ってみてレビューするシリーズです。

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SWELLとは?

「SWELL」は、株式会社LOOSが開発しているWordPressテーマです。

株式会社LOOSはWordPressテーマだけでなく、公式からインストールできる無料のプラグインも開発しています。

価格は¥17,600(税込)で、ライセンスの制限はなく、複数サイトでの利用が可能です。

有料テーマの中ではトップクラスの人気を誇っており、かなりの利用者がいます。

リリースは2019年3月で4年前ですが、今でも積極的にアップデートされ機能が追加されています。

以下の公式サイトから購入・ダウンロードができます。

SWELLの特徴

SWELLの特徴は、オリジナルブロックや既存ブロックの拡張によるブロックエディターの使い勝手の良さです。

直感的な操作で装飾やレイアウトが行えます。

豊富なオリジナルブロックで自由自在にコンテンツを作成できます。

また、高速化や収益化など、本格的にサイトを運営する人が使いたい機能もかなり網羅されています。

SWELLのオリジナルブロック(一部紹介)

SWELLに搭載されているオリジナルのブロックをいくつか紹介します。

アコーディオンブロック

コンテンツを開閉式にできるブロックです。

ページが縦に長くなりすぎる時に使ったり、一部コンテンツを隠したい時に使えます。

スタイルは現状4種類、アイコンは3種類から選べます。

クリック領域のタグも設定することができます。

SWELLボタンブロック

細かい設定ができるリンクボタンのブロックです。

スタイルは現状上記の4種類から選ぶことができます。

3つ目は画像だと分かりづらいですが、キラッと輝くアニメーションになっています。

ボタンにアイコンを付けることも可能で、豊富な種類のアイコンが用意されています。

ボタンのサイズやフォントサイズ、カラー設定、クリック計測設定、アイコンの設定、広告タグの設定など豊富な設定項目が用意されています。

キャプションボックスブロック

キャプション付きのボックスコンテンツを作成できるブロックです。

現状7つのスタイルを選択することができます。

アイコンを設定することもできます。

色の設定やアイコンの設定ができます。

カラー設定は「エディター設定」から好きな色を設定できます。

説明リストブロック

言葉の意味や定義を説明するためのブロックです。

FAQ

FAQブロック

Q&A形式のコンテンツを作成できるブロックです。

スタイルは4種類用意されています。

STEPブロック

手順の説明などで使えるブロックです。

スタイルは現状3つ用意されています。

STEPの文字を変更したり、番号の形、タイトルのHTMLタグを変更することができます。

SWELLの設定項目

SWELL設定

「SWELL設定」で機能面の設定ができます。

  • 高速化に関する設定
  • 構造化データに関する設定
  • jQueryに関する設定
  • Font Awesomeに関する設定
  • 不要な機能を停止する設定
  • アドセンス広告に関する設定
  • 保存されたキャッシュやデータのリセット設定

といった設定ができます。

高速化設定では、各コンテンツをキャッシュで配信、ファイルの読み込み方法の設定、コンテンツの遅延読み込み、ページの遷移に関する設定ができます。

構造化データ設定では、JSON-LDに関する設定ができます。

jQuery設定では、jQueryの読み込みに関する設定ができます。

Font Awesome設定では、Font Awesomeの読み込み方、バージョンの指定ができます。

機能停止設定では、SWELLやWordPress本体で不要な機能を停止することができます。

広告コード設定では、ショートコードや自動で挿入されるアドセンス広告のタグを設定することができます。

エディター設定

「エディター設定」でブロックエディター関連の設定ができます。

  • カラー関連の設定
  • ボーダーの設定
  • マーカーの設定
  • ボタンの設定
  • アイコンボックスの設定
  • 吹き出しの設定
  • 書式の設定
  • その他(ブログカード、引用ブロック)の設定

の項目があります。

SWELLのメリット

高機能で人気のあるSWELLには、以下のようなメリットがあります。

ブロックエディターの使い勝手が抜群

SWELLにはオリジナルのブロックが多数搭載されているだけではなく、WordPress本体に備わっているブロックの設定も拡張されています。

そのため、ブロックエディターの使い勝手は抜群で、自由に直感的に操作ができます。

たまに「クラシックエディターの方が使いやすい」という人もいますが、SWELLを使うとその考えも変わるかもしれません。

細かな設定ができる

設定項目については前述しましたが、細かな設定ができるのがSWELLの良い点です。

ある程度ブログ運営に詳しくなると、パフォーマンス面やSEOなどで細かい設定をしたくなります。

豊富な設定項目で痒い所に手が届くテーマです。

利用者が多いので困った時に調べやすい

SWELLは利用者が多い分、テーマの設定などで困った時に解決しやすいのもメリットです。

設定やカスタマイズなどを解説した記事が数多く書かれているからです。

逆にマイナーなWordPressテーマを使っていると、困った時に調べても解決方法を書いた記事が見つからないということがあります。

また、SWELLにはユーザー専用のフォーラムがあり、そこで質問をすることができます。

フォーラム | SWELLERS’ | SWELLユーザー専用サイト

ここに質問をすると開発者や他のユーザーが回答してくれます。

複数のサイトで利用可能

SWELLのライセンスは100%GPLなので、複数のサイトで使っても問題ありません

テーマによっては、1ライセンス1サイトという制限を設けている場合があります。その場合、別サイトで利用する際に再度購入しなくはいけません。

ライセンスを制限しているテーマと比較すると、複数のサイトで使えるというのはかなりお得感があります。

100%GPLとは?

WordPressはGPLというライセンスを採用しています。GPLライセンスの著作物は自由に利用・改変・再配布しても良いのですが、それを利用した著作物に関しても同じようにGPLライセンスで提供しなくてはいけません。

つまり、WordPressテーマもGPLで配布するべきということです。

さらに、100%GPLというのはテーマのPHPだけでなく、CSS・JavaScript・画像などもGPLの対象になるという意味です。

一部のテーマでは「1ライセンス1サイト」など、ライセンスを制限するものもありますが、これはGPLライセンスに違反していることになります。

SWELLのデメリット

機能面や操作性でかなりハイスペックなテーマなので、そこまでデメリットはありません。

強いて言えば、以下のようなデメリットはあります。

他のサイトとデザインが被る

SWELLの一番のデメリットはこれでしょう。

ネットサーフィンをしている時、SWELLを使っているブログに遭遇することがかなり多くなりました。

高機能で人気がある分、使っている人が多いため、他のサイトとデザインが被ります。

他のサイトとデザインが被ることに関して、そこまで気にしない人がほとんどだと思いますが、「個性を出したい」「デザインで差別化したい」という人にはデメリットになります。

価格が高い

2023年6月11日現在、SWELLの価格は¥17,600(税込)に設定されています。

人気テーマの価格は以下のようになっています。

テーマ価格
Emanon Pro¥9,800(税込)
STORK19¥11,000(税込)
JIN¥14,800(税込)
SANGO¥14,800(税込)
AFFINGER6¥14,800(税込)
THE THOR¥16,280(税込)
SWELL¥17,600(税込)
JIN:R¥19,800(税込)
2023年6月11日現在

めちゃくちゃ高いという訳ではありませんが、人気テーマの中では高い部類に入ります。

機能の高さを考えると妥当な料金設定ではありますが、そこまで高機能を求めていない人にとっては少々高いと感じるかもしれません。

別のテーマに乗り換える時は大変

SWELLはオリジナルのブロックが豊富に用意されていますが、他のテーマに乗り換えるとそのデザインが引き継がれないため、デザインが消え、レイアウトも崩れます。

例えば、「オリジナルデザインのテーマに乗り換える」「他に気にいったテーマがあったから変更したい」といった時に、SWELLのブロックをガンガンに使っているとデザインが引き継がれないため、修正が大変になります。

一度SWELLを使い始めたら、他のテーマに乗り換えないという覚悟は必要になります。

テーマによってはオリジナルのブロックはプラグインで用意しているパターンもあります。

プラグインならテーマを変更してもブロックが引き継がれるため、乗り換え後もある程度見れる形を保つことができます。

AMP非対応ってどうなの?

SWELLの悪い点としてたまに挙げられるのが、AMP非対応です。

AMPとは、Googleが提供しているモバイル端末で表示を高速化する仕組みです。

以前はGoogle検索のトップニュースに表示されるための条件だったので、SEOで重視されていました。

しかし、2021年にAMP優遇が終了しAMP対応しなくてもトップニュースに表示されるようになったため、現在ではAMP導入の重要度はあまり高くありません。

AMPは表示を高速化できる反面、デザインの自由度が下がるのとHTMLの記述が特殊で導入ハードルが高いというデメリットもあります。

最近では積極的にAMPを導入しているメディアも少ないため、下火になっています。

AMP非対応は大した問題ではなく、AMP対応しなくてもある程度高速で表示できるのであれば気にしなくても良いでしょう。

SWELLはこんな人におすすめ

以上をまとめると、SWELLは以下のような人におすすめです。

とにかく機能重視

機能面を重視してWordPressテーマを選ぶのであれば、SWELLはかなりおすすめです。

すでに説明した通り、デザインと機能の両面で細かい設定ができ、サイト表示の高速化もできます。

他の人気テーマと比較して、トップクラスの性能を誇っています。

多少価格が高くても、より高機能なテーマを使いたい人にはおすすめです。

ブロックエディターでサイトをガンガン装飾したい

SWELLの良さはやはりブロックエディターです。

ブログ記事を見やすく装飾したい人にはかなりおすすめできるテーマです。

ブログやサイトを収益化したい

SWELLには広告の設定やクリックの計測など、収益化に便利な機能が備わっています。

SEOに重要なサイト高速化についても、豊富な設定ができます。

また、ブログ記事を見やすく装飾・レイアウトするのはSEOにおいて重要になるので、豊富なオリジナルブロックは収益面でもプラスになります。

「広告を掲載してブログで稼ぎたい」「評価を下げないためにもサイトを高速化したい」と考えている人には、おすすめのテーマです。

SWELLはこんな人にはおすすめできない

前述したデメリットを踏まえると、SWELLには以下のような人にはおすすめできません。

そこまで高機能を求めていない人

SWELLは高機能なため価格が若干高めです。

「ブログでの収益化は考えていない」「そこまで装飾はしない」といった人には、オーバースペックかと思いますので、もっと安いテーマでも良いでしょう。

安いテーマでいいのであれば、STORK19でも十分ですし、無料のテーマとかでも良いでしょう。

他のブログと被りたくない人

他のブログと差別化するためにオリジナリティを出したいという人にとっては、利用者の多い SWELLは不向きでしょう。

もし他のテーマと被りたくないのであれば、個人的にはDigiPressのテーマがおすすめです。

特にデザイン面はかなり優れており、そこまで利用者も多くないので被りづらいです。

テーマを乗り換える可能性がある人

「ブログのアクセスが増えてきたら、制作会社に依頼してオリジナルテーマにする予定」といった場合は、SWELLを使わない方が楽でしょう。

一度SWELLで記事を書いてしまうと、後でテーマを変更するのが大変です。

テーマを乗り換えるのであれば、ブロックエディターはプラグインで提供しているテーマを使うようにしましょう。

例えば、「Snow Monkey」というテーマがあるのですが、このテーマは「Snow Monkey Blocks」というプラグインを入れてブロックエディターを使う形なので、テーマを乗り換えても問題ありません。

使ってみた感想

SWELLは他テーマと比べても機能が豊富で、非常に使いやすいテーマに仕上がっています。

上記の「SWELLはこんな人にはおすすめできない」に該当しないのであれば、SWELLを選んでおいて間違いはないでしょう。

SWELLは売れるから積極的に開発され、積極的に開発されているから売れる、という好循環になっているんだなと思います。

今後はSWELLの対抗馬が出てくるかというのも見ものですね。


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